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VOL.3
走りと乗り心地を決めるショックアブソーバー


 クルマが段差や凸凹を乗り越えても、ガツンと大きな衝撃が人やクルマに伝わらないようにしているのがスプリング。そして、そのスプリングの働きを適正に制御するのがショックアブソーバー。
ここではその仕組みをお伝えします。

協力◎トヨタテクノクラフトTRD


衝撃を吸収する装置が付いたトランポリンが、ショックだ

シェル一体式のショック

ショックアブソーバーとスプリングは、両者が一体となって初めて機能する。スプリングの強度もさることながら、ショックアブソーバーの味つけひとつでクルマの性格はどうにでも変わる。また、さまざまなタイプがあり、写真のものはシェル一体式のショック  

子供のころ、遊園地などでトランポリンをした経験は誰にでもあると思う。その上でジャンプすると、トランポリンは揺れ続けるが、その揺れも次第に収まる。ところが、誰かがジャンプすれば、再び揺れがはじまる。結局のところ誰かがジャンプをやめない限り、トランポリンはいつまでも揺れ続けるし、その揺れもすぐに収まることはない。
もっとも、一度のジャンプですぐに揺れが収束してしまっても、着地の際の衝撃を吸収できずに危険だから、ある程度揺れ続けることは必要になってくる。
では、そんなトランポリンの原理を、そっくりそのままクルマに置き換えてみよう。自転車などで荒れた路面や段差を走ると、その衝撃は直接身体に伝わるし、コントロールも難しくなってしまう。そこで、クルマの場合にはスプリングをボディとサスペンションの間の緩衝材として使い、路面からの衝撃を和らげている。ところが、クルマの場合はトランポリンと違って走り続けているから、路面の状況も刻々と変化し続けている。つまり、いつまでも揺れ続けていては、サスペンションが正常な働きを取り戻せず危険だし、人間もクルマをコントロールできなかったり、酔ってしまったりする。そこで、スプリングの働きを制御するために登場するのがショックアブソーバーだ。


ショックアブソーバーを直訳すると衝撃吸収装置となるわけだが実際にはスプリングの振動を減衰させる装置だ。ショックアブソーバーにはさまざまな方式が採用されているが、代表的なものとしては、下図のオイルタイプとツインチューブタイプがある。また、ショックアブソーバーの調整次第で、走りや乗り心地が大きく変わってくる。メーカーが市場に登場させる際、セダンなどは乗り心地を重視して柔らかめのセッティングとし、スポーツカーは走りに振って硬めのセッティングを施しているわけだ。

スプリングとショックアブソーバー はワンセットになって、ボディとサ スペンションの間に取り付けられ、 緩衝材の役目を果たす。愛車のタイ ヤハウスをのぞき込んでみれば、簡 単に見ることができる

スプリングとショックアブソーバー


内部構造

ショックはヘタるものいずれは交換も必要に

同じクルマにずっと乗っていると気がつかないものだが、ショックアブソーバーは少しずつだがヘタってきている。乗り心地がフワフワしてきたり、ゴツゴツしてきたと感じたら、それはヘタってきた証拠でもあるので、交換を考える必要がある。ただ、硬さや柔らかさだけではなく、クルマの挙動変化の収まり具合をみて判断するようにしたい。ちょっと恐いなと感じるようだったら、即交換をお勧めする。 それほど深刻な状況でない場合はどうするか。ショックアブソーバーは、オイル漏れがない限り交換する必要はない、とも言われるし、1万キロも走れば初期の性能を期待するのは無理、とも言われる。交換時期はユーザーの気持ち次第というわけで、自分の要求レベルと相談して考えたい。 ショックアブソーバーは、最近では純正品だけでなく、各メーカーから実にたくさんの種類が発売されている。それぞれに特徴があり、一概にどれがいいとは薦められない。ただ、単純にブランドやイメージで決めてしまっては痛い目に遭うので、特にこだわりがなければ純正品を選ぶのが無難だ。ただし、社外品を選択すれば、それなりの喜びは得られる。車検や保安基準に十分に配慮して選びたい。


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