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VOL.12
低燃費、高出力を実現した高効率ガソリンエンジン

トヨタ自動車の「直噴ガソリンエンジン」、三菱自動車の「GDI」など、高効率ガソリンエンジンが登場してきた。その仕組み、効能を探ろう。
協力◎トヨタ自動車(株)・三菱自動車(株)

定常走行時の燃費が30%向上しながら、常用領域でのトルクも10%向上する

 

 現在、大勢を占めるガソリンエンジンは、吸気ポートに燃料を噴射して空気と混合した後にシリンダー内に吸入している。その完全燃焼のための理論値は、空気15に対してガソリン1とされる。もっとも、この値はエンジンの状態によって異なり、始動時は5:1以下、低速時は12:1程度、加速時は8:1と移り変わっていく。 エンジン この空燃比を制御しているのが、電子制御式燃料噴射装置だ。 ただ、この完全燃焼のための理論値というのは、現在の方式における理論値。
 実は、シリンダー内全体がこの理論値になる必要はなく、点火プラグ付近に適正な濃度の混合気を分布させてさえいればよく、燃焼室全体は非常に薄い空燃比でも構わない。この達成には、非常に困難で高度な技術を必要とするが、トヨタの直噴ガソリンエンジンと三菱のGDIが、これを実現させている。

概念図従来エンジンでは、吸気ポートに燃料を噴射して空気と混合した後にシリンダー内に吸入していた。ところが、筒内噴射エンジンでは、シリンダー内に直接燃料を噴射、点火プラグ付近だけに燃料噴霧して、着火しやすい混合気を集め、その周辺には空気層を形成している。そのため、全体では極めて希薄な空燃比(約50:1)を実現。

 両者とも、多量の空気を吸入したシリンダー内に直接燃料を噴射、点火プラグ付近だけに燃料噴霧して、着火しやすい混合気を集め、その周辺には空気層を形成させている。そのため、全体としては極めて希薄な空燃比(約50:1)ながら、安定した燃料を実現させるに至っている。また、この噴射時期を運転領域に応じて巧みに制御し、負荷に応じて空燃比を連続して変化もさせている。
 結果として、ディーゼルエンジンをしのぐ超低燃費を達成しながらも、従来エンジンを超える高性能とレスポンスを実現。さらに、排気ガスの浄化にも成功している。具体的な数値としては、定常走行時の燃費が30%向上しながら、常用領域でのトルクが10%向上、NOx排出量が約95%低減するなど、驚くべき成果を挙げている。さらに、アイドリング時に至っては、40%もの大幅な低減が得られている。この夢のような超希薄燃焼エンジンは、トヨタはコロナに、三菱はギャランとパジェロに搭載され、道路を走りはじめているのだ。

燃費図 一般的な市街地走行を代表する10・15モード走行では、従来エンジン搭載車に比べ、30%の燃費低減を実現。ディーゼル車すらしのぐ高効率を達成するにいたっている。


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