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VOL.20
確実にクルマを止めるためにVディスクブレーキって何?


運動エネルギーを熱エネルギーにかえて止める

 Vディスクのメリットについて説明する前に、クルマのブレーキがどういう仕組みでク
ルマを減速させたり止めたりしているのかをおさらいしておこう。
 クルマが走っているときには、運動エネルギーというモノを持っていて、クルマを止めるためには、このエネルギーを何らかのカタチで消費させてやらなくてはならない。というわけで、ブレーキはクルマの運動エネルギーを熱に変換することで消費して、クルマを止めるシステムなのだ。もう少し具体的にブレーキが作動しているところを見てみると、ディスクブレーキの場合は、ブレーキペダルを踏むとマスターシリンダーのピストンが押されて、油圧が発生してブレーキキャリパーのピストンを押し、ブレーキパッドがディスクを挟み込む。

すると、ディスクとパッドの摩擦で熱が発生する。こうしてクルマの運動エネルギーは、熱エネルギーに変換され、さらにその熱は空気中に発散されて、クルマは止まるのだ。
 このように、クルマのブレーキは使うと発熱する。ところが今度はこの熱の行き先が問題になってくる。ブレーキが発した熱は、空気中に発散されるのだが、あまりハードに使い続けると、

放熱性の良さならVディスク

放熱が間に合わなくなってトラブルが発生してしまうのだ。その代表的なモノが、パッドが燃えて発生したガスのせいで効きが悪くなる「フエード」と、更に熱が回ってブレーキフルードが沸騰して気泡を生じ、パッドまで圧力が伝わらなくなって効かなくなる「ベーパーロック」だ。
 これらのトラブルは、ブレーキの放熱が間に合わなくなったために起きたモノ。

と言うことは、放熱性を更によくしてやれば、これらのトラブルは防げる、ということ。だったら、ディスクの表面積を増やせば放熱性がアップするに違いない。と言う発想で生まれたのが、ディスクの中にトンネルが掘られて、空気が通ることで放熱性をアップしたベンチレーション・ディスク、通称「Vディスク」と言うわけだ。普通のディスク(ソリッドディスク)は、ディスクの表面が熱を持ち、その表面から主に放熱していたが、Vディスクはディスクの内側からも放熱できるため、ソリッドディスクよりも熱に強いということになる。だから、重量級のクルマやスポーツカーのフロントには必ずVディスクが使われている。ちなみにリアがソリッドのままなクルマもあるが、フロントよりも発熱量が少ないから、そのままでも耐えられるからだ。


パッドがどれくらい減っているかは、タイヤを外してみればよく見える。たまには点検しよう。


ブレーキフルードのタンクはココ(赤いテープがバツに貼ってある)にある。


ホイールを外してブレーキ類が露出したら、バッドだけでなく、ローターも点検。

トラブル解決法

坂道でブレーキが効かなくなったら

 長い坂道を下るときにはエンブレを併用し、なるべくフットブレーキは使わないようにするのが基本だけど、それでもペダルの感触がふにゃふにゃしてきたり、奥まで入るようになってしまったら、路側帯によせて冷めるまで待とう。更に悪化してベーパーロックが発生したら、何度もペダルを踏む(ポンピング)と何とか止まれることもあるので、慌てないでやってみよう。

メンテナンス術

 ブレーキのメンテナンスは、まずパッドの残量チェック。残量はフルードの量を見る方法もあって、リザーバータンクの液面が下がっていたら、パッドが減っているということなので、パッドの交換を考えよう。ブレーキホースは亀裂が入ったり、ジョイント部分が緩んだりしていないかチェックしよう。スポーツパッドを使うとディスクの表面が荒れてくることもある。ディスクでは摩耗もするので、あまりひどいようなら研磨するか、新品に交換した方がいい。


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