目次

VOL.21
ラジエーターって何?

協力◎カルソニック


Q1.

ラジエーターってどこにあるの?

A1.

右の写真を見て頂ければお解り頂けると思いますが、一般的なフロントエンジンのクルマの場合、ラジエーターはエンジンルームの前側にこのように設置されています。ラジエーターは走行風、またはファンによって中を通る水を冷やすので、風通しのいいところに置く必要があるのです。

なるほど。だからクルマのフロントマスクには必ず開口部があるんですね。ところでラジエーターより前にもう一つ良く似たものが置いてありますが、これは何でしょうか?


これはエアコンのコンデンサーというもので、エアコンの冷媒を冷却する働きをしています。だからラジエーターと同じような形になっているんです。

なぜコンデンサーの方が前にあるんですか?

エアコンの冷媒の方が、冷却水よりもより低い温度に冷えなくては困るから、ということです。

では順番を逆にしてしまうとエアコンは効かなくなってしまうということですか?


同じ大きさのままならそういうことになりますね。

Q2.

何のためにあるの?

A2.

エンジンは内部で爆発を起こし、そのエネルギーを使ってクルマを動かしていますが、その爆発のときの熱を放っておくとエンジンが壊れてしまうために冷やす必要があります。そのためエンジンの中には水路が設けられていて、そこを通る水、つまり冷却水によってエンジンを冷やしているのです。そして、熱くなった冷却水を冷やすのがラジエーターなのです。

ラジエーターはどういう仕組みで冷却水を冷やしているのですか?


ラジエーターは、アッパータンク、ロアタンクで、アルミ製のコアを挟んだ形になっています。このコアはチューブとアウターフィンで構成されていて、チューブの中を冷却水が通るときにアウターフィンに熱を伝えます。熱くなったアウターフィンはそこを通り抜ける空気によって冷やされるというサイクルになります。ちなみにこのような働きをするもののことを熱交換器と呼んでいます。

Q3.

空冷ってのもありましたよね?

A3.

クルマの場合はほぼ完全に水冷式になりました。

水冷式の空冷式に対するメリットってどういうものがあるのでしょうか?


まず、冷却効率で優ることが最大の理由として考えられます。それから、クルマの場合エンジンに直接風を当てにくいこともありますね。それからもう一つ大事なのは安定性です。エンジンの燃焼室まわりの温度というのは、高すぎても低すぎてもよくないのです。水冷式ならサーモスタットによって一定レベルに保つことが出来るのですが、空冷式の場合はかなり難しいでしょう。ヒーターも冷却水の熱を使っていますから、これもかなり大きな理由になりますね。

そういえば昔のラジエーターは銅や真鍮でできていて、厚かったように思うのですが、アルミになって薄くなったのは効率が良くなったからなのですか?



銅や真鍮の方が熱伝導率は高いのですが、フィンを接着するハンダが邪魔をしてしまっていたのです。その点アルミのチューブにアルミのフィンを接着するには、同じアルミ製のろうを使えるのでロスが少なく、全体で見た場合にアルミの方が効率が良くなるのです。

Q4.

アウターフィンの放熱面積ってどれくらい?

アウターフィンってかなり細かく畳まれていますからかなりの面積があるんでしょうね?

A4.

そうですね、スカイラインクラスの放熱面積が5.6m2ですから。でも面積よりも効率の方が大事なんですよ。いくら面積を拡大しても、効率が悪くては意味がないんです。逆に、効率さえ上げてやれば、それほど大きくしてやる必要もなくなります。先程の続きになりますが、材質が銅や真鍮からアルミになって薄くなった、というのがそれです。それから、フィンの形も単なる1枚板ではなくて、ルーバーが設けてあります。これをコルゲートフィンと言ってるのですが、このような形にする事によって、どうしても効率が落ちがちなフィンの後部でもしっかり放熱させる事ができるのです。

Q5.

ラジエーターの前をふさぐエアロって?

最近流行のスムージングと言われるドレスアップですと、開口部をふさぐようなものもあるのですが、それってやっぱりラジエーターにとっては?

A5.

やって欲しくないですね。

やっぱりそうですか


ラジエーターというのは、コアの中を風が抜けていく事で初めて冷却効果が出るわけですから、開口部をふさいで風が入らなくなってしまうと、効率はがくっと落ちてオーバーヒートし易くなってしまいます。いくらファンがあるからといっても、走行風の代わりは勤まりませんからノーマル時と同じレベルでの冷却性は期待出来ないですね。

見た目はカッコ良くてもクルマにとっては苦しいわけですね。では逆に開口部を大きく取ったエアロやボンネットにアウトレットを設けたエアロボンネットと呼ばれるものはどうでしょうか。それと、バンパーサイドやエンジン上部にあるインタークーラーを大容量にして前置きにしているケースも結構あるようなのですが、これによる影響はあるのでしょうか?


インタークーラーを前置きにするというのは、ラジエーターの前にもう1枚壁が出来るのと同じ事ですから、効率的にかなり厳しくなります。ですから、そういったチューニングカーには開口部を広げたエアロは有効でしょう。とにかく風の抜けを良くする事が効率アップにつながりますから。それから、ラジエーターの容量というのは、基本的にかなりマージンを取って設計してありますから、多少のチューニングならそのままでも耐えられるはずです。そこに効率を上げるような工夫をしてやればかなりいけると思います。


ラジエータークーラントはこちら



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