目次

VOL.22
ヘッドライトってどうなってるの?


Q1. ヘッドライトってどんな種類があるの?

A1. ライトと言えば、即、電球が連想されると思うけど、ここで思い浮かぶ電球は家庭などで一般的によく使われている白熱電球だと思う。ところがクルマのヘッドライトにはいわゆる白熱電球は使用されていないのだ。白熱電球の場合、使い続けることで発光部分(フィラメント)のタングステンが蒸発し、ガラスの内側に付着して薄暗くなってしまうためだ。ヘッドライト以外のウインカーやスモールランプには使われているのだが、古くなった電球を見ると内側がかなり黒くなっているはず。ヘッドライトがこうなると危険なため、使われない、というわけ。

 そこで、電球内にハロゲンガスを封入したハロゲンバルブが登場した。このハロゲンバルブは、中にハロゲンガスを封入している。このガスがフィラメントから蒸発したタングステンを再びフィラメントに戻す働きをするため、電球内が薄暗くならず、フィラメントの消耗も抑えられるため長持ちするのだ。しかも、発光温度が高いために光が白くなり、明るくなるというメリットもある。

 さて、ヘッドライトはレンズと反射鏡、電球の3つのパートから成り立っている。で、この3つが一体になっている、というか電球がレンズと反射板を持っていて、中にガスが封入されているものをシールドビームタイプといい、昔は結構使われていたが、交換が面倒なことや、クルマの顔つきのデザインに自由度が低いなどの理由で使われなくなっていき、今使われているのは一般的なところでは先代のロードスターぐらいになっている。

 シールドビームに変わって普及したのは、セミシールドビームといわれるタイプ。これは、レンズ/反射板部分と電球を分離したもので、レンズ部分の自由度が高く、球切れを起こした場合でも電球部分だけを交換すればいいために、ほとんどのクルマがこのタイプを採用している。

 セミシールドビーム十ハロゲンバルブの組み合わせは様々なメリットがあるために高い普及率を誇っているのだが、基本的にバルブの直射光と反射鏡からの反射光が拡散していく方式のため、うまくレンズカットしてもどうしても上方などに光が回ってしまい、降雪時などは降ってくる雪を照らして、幻惑される事があった。これを解決するために登場したのがプロジェクタータイプのヘッドランプだ。これは、反射鏡、シェード、凸レンズを組み合わせることで余計なところに光漏れが少ないくっきりした光を投影できるという特徴がある。一時期は爆発的な流行を見せたのだが、自照灯的な役割が弱いことなどもあってかあまり使われなくなり、その特性を活かして、フォグやドライビングランプのような補助灯などに使われるようになっている。そして、プロジェクターに代わって今普及しつつあるのが、キセノンを封入し、放電によって発光するディスチャージタイブのヘッドライトだ。

ハロゲン

ディスチャージ

いわゆる普通のタイプのヘッドライトの代表格が、このセミシールドビーム+ハロゲンバルブの組み合わせ。

最新普及しだしたディスチャージ。青白く光り、他とは圧倒的に異なる明るさを誇る。

プロジェクター

シールドビーム

かなり流行したが最近は沈静化。遠くからでもわかる独特な光。

今ではほとんど使われないタイプ。有名なところでは、先代のユーノスロードスターがこのタイプだった。


Q2. ディスチャージはどうしてあんなに明るいの?

A2. 従来のハロゲンバルブとディスチャージバルブでは、光を出す方式が全く異なっているのが最大の要因。
 ハロゲンや白熱球は、通電されるとそれ自体が発光するフィラメントを持っている。ところが、ディスチャージバルブはフィラメントを持っておらず、キセノンガスが封入されたバルブの中の電極間の放電現象によって発光する方式なのだ。

 要するに、電線をショートさせたときやスパークプラグの放電時、それからアーク溶接の時にバチっと光る、あの光をヘッドライトに応用したと思えばいい。つまり、どちらかというと蛍光灯に似ているともいえる。

 溶接の光なんて、直視したら目がおかしくなるくらいだから、放電による光がいかに強力なのかは簡単に想像してもらえると思う。だから、この方式だとハロゲンバルブと同じ明るさを得るのに消費電力が1/2〜1/3で済み、更にコンパクト化が計れるため、デザイン上の自由度が上がる、そして青白い光のため、明るく見える。また、フィラメントを持たないために、ほぼメンテナンスフリーになる、というメリットがあるのだ。
 ただし、現状ではいくつかの問題が残されている。

 ディスチャージバルブの点灯時には、瞬間的に高電圧を必要とするため、スパークプラグがコイルによって昇圧された電圧でスパークするように、電圧を上げるためのユニットやそれをコントロールするためのユニットを別に設けなければならない。この昇圧のプロセスがあるために、スイッチオンから点灯までに若干のタイムラグがあるのだ。そして、これらのユニットが結構場所を取るため、ライト本体がコンパクトでもシステム全体では大きなものになってしまう。
 また、通常のシステムに比べてコストが掛かるのも問題。ディスチチャージタイプが普及するにはユニット類の小型化と量産効果によるコストダウンが課題といえる。


Q3. ディスチャージでなくてはもうダメなのか?

A3.  明るくて消費電力が少ないディスチャージに対してハロゲンバルブはダメなのか、というと、別にそんなことはない。前項でも説明したとおり、ディスチャージにはコストや設置スペースなどの問題も残されている。発光色もかなり青白く冷たい色のため、好みの分かれるところでもある。実際、ディスチャージに対して「カッコイイ」という肯定派に対する「何かイヤ」という否定派は結構いるものだ。また、ディスチャージは対向車に対してまぶしすぎる、自照灯としての効果が低く感じるなど、細かい問題点が多いため、しばらくはハロゲン優位の状況が続くだろう。

 ただ、ディスチャージのもう一つのメリットとしてメンテナンスフリーというのがあるが、これだけは認めるしかないだろう。フィラメントを持つハロゲンバルブの場合、必ず球切れは起きてしまう。これは構造上の宿命なのでどうしようもない部分なのだ。

 余談になるが、ロービームが球切れしてしまった場合、昔はハイビームにして、ガムテープなどで上向きの光を遮れば何とかなる、なんていっていたけれど、今はプラスチックレンズのクルマが増えているので、使えないのだ。というのも、この方法だとライトの熱によってレンズが熔けてしまうことがあるためだ。かといって、片方だけで走行していると危険。もしドライバーを装備しているなら、ハイビームの後軸を恩いっ切り下げてやるという手が使える。光の拡散の問題から対向車に対して万全ではないが、ハイビームのまま無調整で走るよりははるかに迷惑にならないはずだ。

 

トラブル解決法


ショートを防ぐためにヒューズは存在する。
種類は様々だ。
消費電力によって使われるヒューズは異なる。

もしも、ヘッドライトが切れたら
ヘッドライトが点灯しない場合は、まず球切れを疑う。ロービームが切れていてハイビームがつく場合は、光軸を下げてハイビームで走れば一時しのぎはできる。バルブが生きているの点灯しない場合は、ヒューズが飛んだかリレーがおかしいなどが考えられるため、これらをチェックしよう。ヒューズが切れた場合は新品に交換するしかないが、その前になぜ切れたかを調べる必要がある。ショートが原因だといくらヒューズを変えても無駄で、またすぐに飛んでしまう。リレーもたまに壊れることがあるが、一度外したらなおった、なんてこともあるのでとりあえずいじってみよう。

 

メンテナンス解決法


クルマを水平な場所に置き、
ビスを回しながら調整。


ランプの中心に上下左右合わせて、
光軸調整用スクリーンを貼る。

ヘッドライトのメンテナンスで気を付けなくてはいけないのは光軸。とりあえず車検に出せば調整して戻してくれるのだが、なぜか片方だけが上向きになっているクルマをよく目にする。この状態はかなり周りに迷惑だし、ドライバー一つで調整できるクルマがほとんどなのできちんと調整しよう。後は切れたときのバルブ交換だが、ハロゲンバルブはガラス部分を直接手で持ってはいけない。発光によって高熱になるため、皮脂などの汚れがついていると割れてしまうこともあるからだ。また、レンズ部分が汚れているとかなり照度が落ちてしまうので、汚れが付いた場合は拭き取ってやろう。ただし、プラスチックレンズの場合は傷つきやすいのでていねいに。


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