モータースポーツ

本物のラリーカーで本物の走りを体験! 非日常の世界に参加者大興奮

2025年6月某日、オートバックス関係者を対象に、ラリーカー(市販車をベースに未舗装路で行うラリー専用の競技車両)の体験走行会が開催されました。舞い上がる土煙の中を、本物の競技車両がコーナーを駆け抜けていきます。日常では味わえない迫力に、参加者たちは思わず声を上げるほどの興奮を見せていました。

この体験会は、クルマの魅力を再発見し、車好きを増やすことを目的に実施。今回は、イベント当日の様子を、主催者やドライバーの言葉とともにお届けします。

ダートコースで本物のラリーカー体験

今回の体験会最大の魅力は、完全クローズドの本格オフロードコース(土、砂利など、舗装されていない路面)で、主催である株式会社ピューマに所属するプロ並みの実力者社員ドライバーが本物のラリーカーを走らせることです。本物だからこそ、参加者は非日常的な体験を味わえます。

まずは、体験会の概要と参加者の様子を振り返ってみましょう。

ラリーカーの実力を発揮できる専用コースで開催

今回の体験イベントは、長野県にあるモーターランド野沢で開催されました。山々に囲まれた自然豊かな立地に、2つのレイアウトを配した本格的なダートコースです。JAFの公認も取得しており、ダートトライアル(ダートコースでのタイムを競う競技)を中心にさまざまな大会が実施されています。

体験会ながらアクセスの不便な本格コースを選んだのは、参加者に本物を感じてもらうためです。多くの競技にも使用されるモーターランド野沢なら、ラリーカー本来の実力とドライバーのテクニックを存分に発揮できます。

体験走行で知るプロ並みの実力を持つ社員ドライバーの凄さ

今回の体験会では、プロ並みの実力者社員ドライバーがドライブするマシンへの同乗走行と、参加者自身が実際にステアリングを握る走行体験が行われました。いずれも普段味わえない非日常的な体験だからこそ、すべての参加者にとって貴重な機会になったようです。

まず参加者を驚かせたのが、ドライバーのドライビングテクニック。一般道ではありえない速度から、一気に車体の向きを変えて行うコーナリング。体験したことのないクルマの動きに若干の恐怖を感じながらも、的確にコントロールするテクニックに驚いていました。

参加者自身が運転をする走行体験では、改めてドライバーの技術の高さを実感した様子。未舗装のダートコースでは、普段の運転とはまったく勝手が異なります。ただアクセルを踏み込むだけではタイヤが空転して加速しませんし、荷重移動を意識せずにステアリングを切ってもクルマは曲がってくれません。非日常的な体験を楽しみながら、熟練したドライバーのレベルがどれほどのものか、その違いを身体で実感していました。

モータースポーツの楽しさを知ってもらいたい

今回の体験走行会を主催した株式会社ピューマの恩田氏と中西氏に、イベントの目的を聞いてみました。企業のプロモーションを超え、根底にあるのはモータースポーツ界とクルマ文化への熱い想い。株式会社ピューマが、10年以上に渡って体験会を主催し続けている理由を紹介します。

五感で感じられる体験会

イベントの目的を聞いたところ、恩田氏は少し悩んで「言葉や理屈では語れない」と前置きしつつ、

「非日常のモータースポーツを、五感で感じてもらいたい。」

と答えてくれました。中西氏も同じ想いのようで、

「同乗してみる、運転してみる、舞い上がる埃も含めて現場の空気感を感じて欲しいですね。」

と続けます。

一方で、「情報発信をもっと上手にしたい」とも恩田氏はモータースポーツ界の課題を挙げてくれました。「地元の方やお客様との接点も増やしていきたい」と中西氏が語るように、体験会を通じてのモータースポーツへの理解がさらに広がることを期待しているようです。

■株式会社ピューマ
現在はオートバックスの子会社である同社は、今回のイベントでもドライバーとして参加する増川氏が社長だった19年前からモータースポーツ活動を開始。トヨタGAZOOレーシング ラリーチャレンジ富山県大会の主催や、ショッピングモールでの大型モータースポーツイベントを開催するなど、モータースポーツを通じてクルマ文化の普及に尽力してきています。

今回ドライバーとして参加している石川選手やeモータースポーツの大石選手など、オートバックスグループの社員として好きなことに夢中になれる環境が整えられているのも大きな特徴です。

■運営店舗 ※2025年10月現在
セコハン市場:2店舗
Smart+1:1店舗
オートバックスエクスプレス:3店舗
オートバックス:9店舗
スーパーオートバックス:2店舗
AUTO IN:1店舗

大きなリスクを背負いながら10年以上も継続

競技に出場するクルマを使う体験会は、主催側としては大きなリスクを伴います。「体験会でクルマが壊れて、大会に出場できなかったことが何度かあった」と恩田氏は苦笑いしながら漏らしました。

しかし、それでも10年以上に渡って体験会を続ける理由として、「クルマの楽しさを提案し続けることが会社としてのアイデンティティ」と語ります。
「毎回、最初のコーナーに進入する際のお客様の顔が印象的」と中西氏は笑顔で続けました。クルマの楽しさをもっと知って欲しいという想いが、10年以上も続く体験会の原動力ということでしょう。

参加ドライバー自身も意義を感じている

体験会に参加したドライバーたちに、感想を聞いてみました。単に同乗者に体験させるだけでなく、ドライバー自身も喜びや意義を感じたようです。

増川 智選手と石川 昌平選手に聞いた、体験会に臨む想いを紹介します。
※文中の選手氏名は敬称略

「子どもたちにクルマの楽しさを伝えたい」増川 智選手

増川 智選手は、全日本ラリー、アジアクロスカントリーラリーといった大きな大会への出場経験をもつベテランドライバーです。また、昨年までは、この体験会を主催する株式会社ピューマの代表者でした。

増川 智選手「車好きの方を増やすために、まずは自分で走ろうと思ったのがラリーを始めたきっかけ。あと、身近なクルマで挑戦できる点が大きな魅力だよね。同乗走行や走行体験をした人は絶対にハマるよ。

今後考えていることは、子どもたちにクルマの楽しさを伝えること。イベントや学校を回りながら、珍しいクルマに子どもが触れる機会を作りたいよね。」

ラリー競技を始めた当時から、すべてのベクトルが「車好きを増やしたい」という方向だったことが伝わってきます。さらに、御年70歳とのことですが、年齢を感じさせない超絶のドライビングテクニックと、未来を担う子どもたちのために意欲的に取り組む姿勢が印象的でした。

■増川 智
株式会社ピューマ代表取締役時代に全日本ラリー選手権、アジアクロスカントリーラリーに出場。
現在はアドバイザーとしてラリー活動に関わる。

「芸術的と言われたのが印象的」石川 昌平選手

石川 昌平選手は、ARTA オートバックス GRヤリスで全日本ラリー(JN-2クラス)に参戦するドライバーです。体験会では普段の7割程度で走っているとのことでしたが、迫力の走りに参加者は驚愕していました。

石川 昌平選手「ダートコースを体験する機会はめったにないので、舗装路面との違いを感じて欲しいです。参加者が心から感動している様子をみると、僕もとても嬉しくなります。印象的だったのは、一瞬言葉を失った方の第一声です。『芸術的な走りですね』と言っていただいた際は、喜んでもらえる走りができるようになったんだなと実感しました。」

この体験会は、参加者もドライバー自身も楽しんでいるということがよくわかります。自身のドライビングが誰かを喜ばせている実感を得ることは、さらなるレベルアップの原動力になるのかも知れません。

■石川 昌平
株式会社ピューマ CSR活動推進部 モータースポーツ担当

【主な経歴】
全日本ラリー選手権 JN-2クラス 出場中
2024シーズン成績 クラス2位
過去2015年にはBRZで全日本ラリークラスチャンピオンの経歴もある実力者

「1人でも多くの人にモータースポーツを知ってほしい」大石 澄海選手

今回の体験会では、実車だけでなくグランツーリスモ7を使ったeモータースポーツのコーナーも設けられました。大石 澄海選手は、株式会社ピューマの社員を務める傍ら、オートバックスが主催するeモータースポーツリーグ「JEGT」の選手としても活躍しています。さらに最近では、実車のラリーに出場するトレーニングも行っているそうです。

大石 澄海選手「初めての参加ですが、多くの方に体験してもらえたのはとても嬉しかったです。モータースポーツには、実車のラリーやサーキット、eモータースポーツとさまざまなジャンルがあります。それぞれに楽しさややりがいがあるので、どの入口からでもモータースポーツやクルマ業界に興味をもってもらいたいです。

私自身、レースに興味をもったのは、グランツーリスモでした。幼少期に、自動車ってこんなに面白いんだと思った記憶があります。そこから、実車(レーシングカート)への挑戦につながりました。」

eモータースポーツを中心に活動してきた大石選手ですが、モータースポーツ、自動車業界全体を盛り上げたいという熱い想いが伝わってきます。今後も活動の主軸はeモータースポーツとしながらさらに活動の幅を広げ、サーキットレースへの挑戦を目指しているようです。

■大石 澄海
株式会社ピューマ CSR活動推進部 モータースポーツ担当

【主な経歴】
2025 AUTOBACS JEGT 出場中(ARTA所属)
2024シーズン成績 総合4位

あらゆるモータースポーツを盛り上げたい

ダートコースで開催された体験会は、普段モータースポーツに触れる機会のない方にとって非日常的な体験となったようです。今回の体験会に限らず、オートバックスグループとしては、日本国内のトップカテゴリーであるスーパーGTをはじめ、カートやラリー、eモータースポーツなど様々なモータースポーツ活動を継続しつつ、今回のような体験会を通じてクルマ文化を発信し続けていきます。

モータースポーツは敷居が高いと思われがちですが、きっかけさえあれば一気に身近に感じられるものです。今回の体験会のような機会はもちろん、大石選手のようにeモータースポーツからレースの世界に触れるのも手軽な方法かもしれません。ぜひモータースポーツの楽しさを知って、クルマをもっと好きになってください。

ライター/増田真吾
編集/増田真吾
撮影/増田真吾

この記事をシェア

※各SNSにログインしている必要があります。

ページトップへ