【初心者向け観戦ガイド】 ラリーの魅力とルールを徹底解説! 【初心者向け観戦ガイド】 ラリーの魅力とルールを徹底解説!

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【初心者向け観戦ガイド】 ラリーの魅力とルールを徹底解説!

F1やSUPER GTのようなレースと違い、WRC(世界ラリー選手権)や全日本ラリー選手権(JRC)といったラリー競技は、どんなルールで走っているのか、わからないという人は、意外と多いのではないでしょうか。基本的なルールを少し知るだけで、見えてくる世界はグッと広がります。

レースとラリーは何が違う?

一般的なレースでは、複数のクルマが同じコースを走り、順位を争います。一方、現在のラリーで主流の「スペシャルステージラリー(SSラリー)」は、基本的に1台ずつスタート。SS(スペシャルステージ)と呼ばれるタイム計測区間を複数走り、その合計タイム+ペナルティタイムによって順位を決めます。つまり、目の前のクルマを抜けば順位が上がるレースとは違い、ラリーでは各々のタイムの積み重ねで勝敗を争うわけです。

さらに大きく違うのは、競技車がひとつの場所だけを走るわけではないこと。いくつものSSを、一般道を移動しながら巡っていくため、一日の走行距離が数百kmに達するラリーもあります。

またラリー車は市販車がベースとなっている場合が多く、排気量や駆動方式など、性能や規定の異なるクルマが混在しているため、「JN-1」「JN-X」など、全6クラスに分けられています。

これだけ知ればOK! ラリーの基本用語

「SS(スペシャルステージ)」は、勝敗を左右するタイムアタック区間です。ここではドライバーが全力でタイムを削ります。



▲SSは、1㎞に満たない短いコースから、20㎞以上の長いコースまで、バリエーションは豊富!

▲SSは、1㎞に満たない短いコースから、20㎞以上の長いコースまで、バリエーションは豊富!


「リエゾン」は、SS同士をつなぐ移動区間。一般道を走る区間では競技車といえども交通規則を守らなければなりません。ナンバーを付けた本物のラリーカーが一般車に混じって街を走る光景は新鮮。沿道から手を振れば、ドライバーやコ·ドライバーが応えてくれることもあるでしょう。

▲リエゾンは一般道なので、観戦のために道路へ出たり、危険な場所へ駐車したりするのはNG。またラリーカ

▲リエゾンは一般道なので、観戦のために道路へ出たり、危険な場所へ駐車したりするのはNG。またラリーカーを自分のクルマで追いかけるのもやめましょう


「コ·ドライバー」は、助手席に座ってドライバーをサポートするクルーのことで、副ドライバーといった感じでしょうか。ナビゲーターとも呼ばれます。SSではペースノートを読み上げ、リエゾンではルートや時間を管理するなど、重要な仕事を担います。また、ドライバーが気持ち良く走れるよう、感情やメンタルをコントロールする役割もあります。

▲ナビシート(助手席)には走行距離を測るトリップメーターや、ラリーカーの位置情報確認やトラブル時の状

▲ナビシート(助手席)には走行距離を測るトリップメーターや、ラリーカーの位置情報確認やトラブル時の状況を発報できるトラッキングアプリを入れたスマートフォンなどを装備


「ペースノート」は、「右コーナーのあと左」「その先にジャンプ」など、コースの情報をまとめたものです。ドライバーはSSを走りながら、コ·ドライバーが読み上げる情報を頼りに、見通しの悪いコーナーの先まで予測して走ります。

▲走行ルートが記載されたロードブックやペースノート、筆記用具、正確な時刻を把握するための時計などがコ

▲走行ルートが記載されたロードブックやペースノート、筆記用具、正確な時刻を把握するための時計などがコ・ドライバーの必需品


「TC(タイムコントロール)」もラリーならではの存在です。SSのスタート/フィニッシュ地点や、チームテントのあるサービスの出入り口などにチェックポイントとして設けられています。車両ごとにTCに到着する目標時刻が設定されており、選手と車両はそれに合わせてTCを通過します。早過ぎても遅過ぎてもペナルティになる場合があります。

ターマックとグラベル、何が違う?

ラリーでよく耳にするのが、「ターマック」と「グラベル」という言葉です。ターマックはアスファルトやコンクリートで固められた舗装路、グラベルは砂利や土などの未舗装路を意味します。全日本ラリー選手権でもターマック(舗装)、グラベル(未舗装)の両方で競技が開催され、冬にはスノーラリーが行われることもあります。

そのため同じラリーカーでも、路面に合わせてタイヤやサスペンションなどのセットアップを変更しています。

▲ターマックでは車高を低く、足まわりも硬め。グラベルでは車高を高く、サスペンションもしなやかに動かすセッティングとなり、タイヤもグラベル用に交換される

本番前の準備も大事! ラリーはどのように進んでいく?

ラリーでは、本番のSSを走る前に、ドライバーとコ・ドライバーがコースを事前に確認する「レッキ(フランス語のレコネサンス=下見)」を行います。

ドライバーが実際にコースを走りながら、情報を伝え、コ·ドライバーがペースノートへ記録していきます。本番でドライバーが先の見通しが悪いコーナーへ迷いなく飛び込んでいけるのは、このレッキで作り上げたペースノートがあるからなのです。

山道から街なかまで! どんなコースを走る?

ラリーのコースは大会によってさまざまです。山岳道路、林道、郊外の一般道などを競技中だけ閉鎖してSSとするほか、公園や特設会場などに観客が見やすいSSS(スーパースペシャルステージ)が設定される場合もあります。ひとつの大会でも、道幅が狭く曲がりくねった区間、ハイスピードな区間、上りや下りなど、ステージごとに性格が変わります。

▲山道や林道など道幅が狭く、カーブが連続するコースが中心。アップダウンが大きいのも特徴

▲山道や林道など道幅が狭く、カーブが連続するコースが中心。アップダウンが大きいのも特徴

“ラリーカーのピット”サービスパーク

何本ものSSを全開で走れば、ラリーカーには当然大きな負担がかかります。そこで重要になるのがサービスパークです。レースにおけるピットに近い存在で、車両点検や部品交換、セッティング変更、壊れた部分の修理などを行います。

ただ、サービスパークへ戻れば、好きなだけ修理できるわけではありません。整備できる時間もスケジュールによって決められています。もしマシンに大きなダメージがあれば、「どこから直すのか」「時間内でどこまで直せるのか」といった判断も必要になります。

▲整備出来る時間は20〜45分程度。限られた時間のなかでタイヤ交換や修理などを行う

▲整備出来る時間は20〜45分程度。限られた時間のなかでタイヤ交換や修理などを行う

ラリーを観戦したい! まずは「どこで見られるのか?」を公式サイトで確認!

サーキットならチケットを買って観客席へ行けば競技を見られますが、広い地域を舞台にするラリーは少し勝手が違います。SSだからといって、道路脇の好きな場所から見ていいわけではありません。

国内ラリーでは安全が確保された指定の観戦エリア(ギャラリーステージ)から観戦するよう案内しています。大会によって有料·無料の違いがあり、駐車場やシャトルバスがセットになったチケットが用意される場合もあります。したがって観戦を決めたら、まずはそれぞれの大会公式サイトで「観戦できるSS」「チケット」「アクセス」をチェックするのが第一歩です。

山間部の場合は、自家用車で観戦地点まで直接行けず、指定駐車場からシャトルバスや徒歩などで移動するケースもあります。初めての場合は公園やミニサーキットなど、アクセスしやすく、設備の整った場所を選ぶのがおすすめです。

▲ラリーによっては、公園やミニサーキットなど、観客席が用意されている場合もあり、初心者も観戦しやすい

マシンを間近で見られる! サービスパークも立派な観戦スポット

速さを味わうならSSですが、ラリーをもっと深く知りたいならサービスパークにも足を運んでみたいところです。ラリーカーが戻ってくると、メカニックたちが一斉に作業開始。SSとはまったく違う緊張感があります。またイベントによっては、ドライバーやコ·ドライバーによるトークショー、サイン会などが行われることもあります。憧れのドライバーを近くで見たり、イベントを通じて交流できたりする可能性があるのも、サービスパークの魅力です。

▲各チームのテントがズラリと並ぶサービスパーク。無料で見学できるラリーも多いが、チケットが必要な場合

▲各チームのテントがズラリと並ぶサービスパーク。無料で見学できるラリーも多いが、チケットが必要な場合もあるので注意

走りを見るだけじゃない! 無料で楽しめるイベントも

ラリーでは、競技そのもの以外にも「セレモニアルスタート」や「セレモニアルフィニッシュ」が行われることがあります。これはスタート地点やゴール地点に競技車が1台ずつ登場し、選手たちを送り出したり、完走したクルーを迎えたりする華やかなイベントです。

▲全日本ラリーでは、市役所や駅前など市街地の人が集まりやすい場所でセレモニアルスタートが行われること

▲全日本ラリーでは、市役所や駅前など市街地の人が集まりやすい場所でセレモニアルスタートが行われることも多い


また「ラリーパーク」と呼ばれるイベントエリアが設けられ、車両展示や企業ブース、飲食店、パブリックビューイングなどを楽しめる大会もあります。「SSのチケットが取れなかったから楽しめない」とは限らないので、大会公式サイトのイベント情報までチェックしてみましょう。

▲ステージイベントや車両展示

▲ステージイベントや車両展示、パブリックビューイングなど、さまざまなコンテンツが用意されるラリーパークは無料で入れる場合がほとんど

山のSSへ行くなら「ハイキング」のつもりで!

山間部のSSを観戦する場合、観戦エリアまで未舗装の道を歩いたり、登ったり下ったり……また天候が突然変わることがあります。歩きやすく滑りにくい靴、動きやすい服、気温に合わせて脱ぎ着できる上着など、軽い山歩きに出かけるような服装が基本です。雨予報ならレインウエアも用意しましょう。

▲山間部のSSは、自分で見やすいポイントを探して場所を確保することが必要。

▲山間部のSSは、自分で見やすいポイントを探して場所を確保することが必要。大会によっては安全や後ろの観客への配慮から、傘が使用できない場合があるので注意

待ち時間対策も忘れずに!

ラリー観戦では、観戦場所に着いてすぐ、ラリーカーが次々に走ってくるとは限りません。安全確保のため、ギャラリーは競技開始よりかなり前に観戦エリアへ入り、長時間待つこともあります。そのため、時計のほか、食料や飲料水などを用意したほうがいいでしょう。また折りたたみ椅子やレジャーシートが使える大会なら、持参するとかなり快適です。使用ルールは大会ごとに異なるので、持ち込み可能な物は事前に確認しましょう。

スマートフォンを見る時間も長くなりがちなので、モバイルバッテリーもあると安心。山間部では売店が近くにないこともあるため、飲み物なども余裕を持って用意したいところです。

ラリーカーはいまどこ? 「RALLYSTREAM」を活用しよう!

サーキットと違い、広い地域に競技車が散らばるラリーでは、「いま先頭車はどこ?」 「もうこのSSを走り終わった?」など、状況がわかりにくいことがあります。そんなときに便利なのが「RALLYSTREAM」というスマホアプリで、インストールは無料です(通信費は除く)。イベントページでは車両位置などをマップで確認できる仕組みになっています。

▲RALLYSTREAMでは、ラリーカーの位置情報やSSタイムの速報、ラリーのルートなど、さまざまな情報がリアルタイムで更新されます


ラリーはひとつの場所だけを見ていても、全貌はわかりません。SSで速さを味わい、サービスパークでプロのメカニックたちの作業を見て、リエゾンでは街中を走るラリーカーに出会う……ルールを少し知ったうえで観戦すれば、「ラリー」という競技の魅力が見えてくるはずです。

知れば知るほど奥が深い競技ですが、そんなラリーを実際に戦っているのは、どんな人たちなのでしょうか。じつは私たちの身近なところにもラリードライバーはいます。次回は、スーパーオートバックス富山南のスタッフとして勤務しながら全日本ラリーに挑む石川昌平(いしかわしょうへい)選手の、仕事とラリーの日々をご紹介します。

編集:交通タイムス社
写真:廣本 泉/交通タイムス社

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