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エンジンオイル基礎知識

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エンジンオイル基礎知識

エンジンオイルの選び方

エンジンオイルには、多くの種類があります。固いオイル、柔らかいオイル、サラサラなオイル・・・
エンジンオイルの選択を間違ってしますと、お車本来の性能を発揮できないばかりか、大切な愛車のエンジンにダメージを与えてしまうこともあります。
まずは、お車の取扱い説明書で新車状態で入っているエンジンオイルの粘度を確認しましょう!

1.お車の取扱い説明書で新車状態で入っているエンジンオイルの粘度(オイルの固さ)を確認

クルマには、そもそも新車時に自動車メーカーが推奨する粘度(オイルの硬さ)のエンジンオイルが入っています。まずはそれを確認しましょう。新車でも中古車でも、クルマに付属の取扱い説明書等で確認できます。エンジンオイルは、車種によって推奨粘度が異なり、自動車に適したオイルの粘度は車種、気温、使用条件(走り方)などによって変わります。自動車メーカーは取扱説明書に外気温による使用粘度を表示していますから自車の使用粘度を確認し、参考にするのも一つの方法です。国産車では、最近のエコカーに代表される0W-20、0W-16を指定粘度とするお車が増えており、米国車やヨーロッパ車は0W-30、5W-30、5W-40が多く指定されています。低粘度(0W、5Wなど)ほどエンジン始動性が良く、高粘度(30、40、50など)なほど高速性能に優れています。

エコカーには低粘度オイルがオススメ

低粘度オイルは最新の潤滑油技術により、優れた高温安定性と高速走行にも耐える油膜の厚さを備え、エコカーのエンジンを保護し本来の性能を引き出してくれます。但し、低粘度オイルは指定車以外には使用できないので、交換前には必ず確認しましょう。

2.エンジンオイルの粘度(オイルの硬さ)を選ぶ

基本的には、お車の取扱説明書に記載の粘度のエンジンオイルを選択いただきますようになります。エンジンオイルの粘度の記号に書かれた数字は、大きいほどオイルが硬く、小さいほど柔らかいことを表します。エンジンオイルの缶には「○W-●」という記号が表示されていますが、これはオイルの粘度指数(オイルの硬さ)を表しており、○Wは低温側の粘度指数、●は高温側の粘度指数を表しています。

低温時の粘度 高温時の粘度
低温時の粘度 WはWINTER(冬)の略 高温時の粘度

粘度の特徴

  メリット デメリット
低粘度オイル(サラサラ) ●低温での始動性が良い
●燃費向上に貢献する
エンジンの保護性能は高粘度オイルより弱い
高粘度オイル(ネバネバ) ●高温でもエンジンをしっかり保護する
●静寂性に優れている
燃費には低粘度オイルの方が良い

3.ベースオイルを選ぶ

オイル粘度の性質を一言でいうと「高温時の粘度を硬くすると保護性能は上がり、柔らかくすると燃費がよくなる」ということになります。しかしその一方で、粘度を硬くすることで燃費は悪化、柔らかくすることで高回転時の保護性能は落ちてしまうというデメリットもあります。では燃費はそのままで高温時の保護性能を上げるにはどうしたらいいでしょうか?
この場合、粘度は自動車メーカーの推奨そのままに、ベースオイルを化学合成油にすることで保護性能を維持します。ベースオイルとは、エンジンオイルとして使用されることを前提に作られたオイルで、保護性能の高さ以外にも、オイルが劣化しにくくその性能が長期間維持されるなどの長所があります。ベースオイルの種類は ①化学合成油 ②部分合成油 ③鉱物油の3種類です。粘度を変えても変えなくても保護性能を上げたい場合は化学合成油をオススメします。

潤滑に最適とされるオイルを分子化した後、化学的に合成したベースオイルです。 高性能なベースオイルとして知られ、エンジン洗浄と車の環境を考えた添加剤が合成されています。 一方で価格は高いため、しっかりと車の環境を整えたい人向きのベースオイルです。
鉱物油に水素化精製油または化学合成油を20~30%混ぜ合わせたベースオイルです。 基本的な性能は備え持っており、値段もそこまで高価ではありませんが、化学合成油に比べると耐熱性の面で劣ってしまうのが特徴です。コストパフォーマンスとバランスを重視する方向けのベースオイルです。
他のオイルに比べて価格の安い、原油から不純物を取り除くことで精製されたベースオイルです。 ただ、値段が安い分劣化は早く、酸化もしやすいため、高品質なものを求める場合にはおすすめできません。 品質よりも価格を重視したい方向けのベースオイルです。

4.エンジンオイルの規格(グレード)を選ぶ

これまでエンジンオイルを選ぶうえで、硬さやベースオイルについて触れてきました。エンジンオイルの硬さはお車の指定粘度で決められております。ベースオイルは、高品質なものを選ぶのであれば化学合成油、コストを重視するのであれば鉱物油を選ぶことができます。
エンジンオイルを選ぶうえで、もうひとつポイントがあります。規格(グレード)です。エンジンオイルの缶にSN、SPなどの表記がありますがこのアルファベットががエンジンオイルの規格となっており、オイルの品質、性能を表しています。

  • ■API規格:米国石油協会(API)とアメリカ材料試験協会(ASTM)、アメリカ自動車技術者協会(SAE)の三者が定める規格です。省燃費性・耐熱性・耐摩耗性などの性能をアルファベットで設定しています。最新のガソリンエンジン車用オイルの規格は2020年5月からの「API SP」となります。

  • ■ILSAC規格:日米の自動車工業会(ILSAC)が制定する規格です。API規格に省燃費性能を加えて考えられています。最新のガソリンエンジン車用オイルの規格は2020年5月からの「ILSAC GF-6」となります。ILSAC GF-6は「GF-6A」と「GF-6B」があり、オイルの粘度で分けられています。「GF-6A」は「0W-20、0W-30、5W-20、5W-30および10W-30」となっており、「GF-6B」は「0W-16」に表記するようになっています。

  • 非常にわかりにくいですが、エンジンオイルの缶に「API:SP/ILSAC:GF-6A」と表記されていれば、最新の規格のオイルということになり省燃費性能や耐エンジンスラッジ、清浄性等に優れたエンジンオイルということになり安心してご使用いただけけます。

  • ■JASO規格:JASO(日本自動車技術会)が制定した国産のクリーンディーゼルエンジンに使われるオイルの規格です。日本では、国産クリーンディーゼルエンジンに対応した独自のJASO規格が主流となっており、「DL-1」などの表示となっています。ディーゼル車のオイルを選ぶ場合は、「DL-1 0W-30」などと表示のエンジンオイルをお選びください。

おすすめのエンジンオイルはこちら>

エンジンオイルの役割

エンジンオイルにはどのような役割があるのでしょうか。よく人間に例えると、エンジンは「心臓」と言われています。そのエンジン内を循環するエンジンオイルは「血液」と言われています。エンジンオイルのコンディションを良い状態で維持することで、エンジンを長くベストな状態で保ちます。エンジンオイルはそれほど大切な部品なのです。

エンジンオイルの役割は主に5つあります。
①各部を円滑に動かす潤滑作用 ②気密性を保つ密封作用 ③燃焼などで発生する熱を吸収して放出する冷却作用
④燃焼によって発生した汚れを取り込む清浄分散作用 ⑤サビや腐食からエンジンを守る防錆作用。

エンジンを守る5つの作用

エンジン内部のオイルの働き
1.潤滑作用
金属摩擦を減らし、エンジンをスムーズに動かします。
2.密封作用
ピストンとピストンリングの隙間を密閉してガス抜けを防ぎ、パワーを維持します。
3.冷却作用
エンジン内部の熱を吸収してオーバーヒートを防ぎます。
4.洗浄分散作用
エンジン内部の汚れを取り込み、エンジンを綺麗に保ちます。
5.防錆作用
エンジン内の水分や酸が原因で発生する錆を防ぎます。

エンジンオイルの交換時期・交換の目安

エンジンオイルの交換時期は、車種、ご使用状態によっても異なり、自動車メーカーでは走行1万~1万5,000kmまたは1年と指定している車種もあります。しかし、渋滞やチョイ乗りなど日本の交通事情を考えると、もっと早くにオイルは劣化してしまうと考えたほうがいいでしょう。新車時のコンディションを維持するために、オートバックスグループでは5,000km走行または6か月のサイクルで交換することをオススメしております。(※ターボ車 走行2,500kmごと、または3か月ごとを推奨しています。)
エンジンオイルには、エンジンの汚れをとる清浄作用がありますが、運転するたびにエンジンオイルはどんどん劣化していきます。また、エンジンオイルは走らなくても劣化します。エンジンオイルはサラダオイルなどと同じで、空気や水分、熱などで酸化します。たとえ距離を走らなくても、運転の仕方でオイル交換時期も変わってきます。クルマを長持ちさせるためにも、少なくとも半年に1回はオイル交換をしましょう。

定期的なオイル交換をしていないエンジン 定期的なオイル交換を行っているエンジン

オイル交換をしないと…

潤滑や洗浄などの役割を果たすための添加剤がうまく機能しなくなり、オイルとしての性能が劣化し、エンジン内部の摩擦抵抗が増え、パワーダウンや燃費の悪化などを招きます。

オイルフィルターの交換も忘れずに

オイルフィルターとはオイルの汚れをろ過するフィルターです。オイルはそれ自体が汚れることでエンジン内を綺麗に保ちますが、オイルフィルターは鉄粉などオイルに混ざった汚れを取り除いてくれます。フィルターのろ過能力が落ちてくると、汚れたままのオイルをエンジン内部に循環させることになります。これではオイルをせっかく新しくしても、エンジンを傷めてしまうことに。オイル交換2回に1回、または1年に1回の頻度でオイルフィルターの交換もおすすめします。

シビアコンディション

平坦路での走行や、一定速度の走行を想定した標準的な使用に比べてエンジンオイルへの負担が多くかかる運転のことをシビアコンディションといいます。シビアコンディションに当てはまる運転はオイルなどの劣化が早まることがあります。このような運転が多い場合には、通常のオイル交換に比べて、耐久性が高いオイルを使用する、または交換時期を早めることをおすすめします。

エンジンオイルに負担がかかるシビアコンディション、知ってますか?

目安として下記のいずれかでの走行が走行距離の30%以上の場合、シビアコンディションに該当します。

悪路の運転 ●ドライバーの体に突き上げ感のあるような路面での走行
●石をはね上げたり、わだち等によりクルマの下廻りが当たるような路面での走行
●ホコリの多い路面での走行  ●雪道での走行
走行距離が多い ●年間走行距離が20,000kmを超える走行
坂道走行 ●登り坂、下り坂が多い。ブレーキの使用頻度も多い。
近場での運転 ●近くのコンビニなどへの買い物など、短距離の走行が多い(目安:8km/回)
●氷点下時など、寒い時期の走行が多い
●低速走行(目安:30km/h以下)、アイドリング状態が多い

エンジン内部コーティング

エンジンコーティング剤

エンジンの内部では、常にピストンがシリンダー内を高速で上下運動しています。
「エンジン内部コーティング」はピストンとシリンダーの表面に被膜を作りスムーズな上下運動を促進し排気ガスの浄化やエンジンの耐久性を向上させる働きがあります。

添加剤で愛車を長持ち

市販の添加物を使用することで、エンジン内部の金属の表面に保護被膜を形成し、摩擦や磨耗の低減や燃費性能の向上などの効果があります。

エンジンフラッシングとは

エンジンフラッシングとは、一言で言うと「エンジン内部の洗浄」です。洗車で車のボディーをキレイにするのと同様、実はエンジンの内部も洗浄してクリーニングしてあげた方がよいコンディションの維持に役立ちます。
エンジンフラッシングはエンジンオイル交換の際、専用の洗浄剤やフラッシングオイルを使って一緒に作業をします。

エンジンフラッシング作業イメージ

フラッシング方法

1.添加剤タイプのフラッシングオイルを使う

オイル交換前に150~300ccほどのフラッシングオイルを添加して、しばらく運転した後、排出するというものです。使用がカンタンという特徴があります。

2.交換タイプのフラッシングオイルを使う

いったん古いオイルをぬいてから、専用オイルをレベルゲージのフルまで注入し、数分運転した後に排出、その後、通常使用する新しいオイルと交換します。
オイル交換が2回必要なのでやや面倒ですが、新油ですすぐため、新しいオイルの汚れが少なくなる特徴があります。

3.機械式洗浄

古いオイルを抜き、オイルフィルターも外します。専用の機械をエンジンにつなぎ、洗浄用の薬剤を入れエンジン内部に循環させます。機械式洗浄は最も洗浄能力の高い方法です。

Q&A

  • Q1.エンジンオイルの交換目安はどれくらいですか?

    オートバックスグループでは、5,000km走行ごと、または、6か月に1回をおすすめしております。
    ※ターボ車は、2,500km走行ごと、または3か月に1回をおすすめしております。

    さらに、エンジンオイルをろ過するオイルフィルターは、エンジンオイル交換2回に1回、または1年に1回をおすすめしております。

  • Q2.エンジンオイルの缶に書いてある数字やアルファベットの表示は何を表しているのですか?

    SP 0W-20 合成油 API:SP ILSAC:GF-6A

    SP→AIP規格(グレード)がSP規格を意味しており、現時点の最新規格となります。API:SPも同じことを示しています。

    0W-20→オイルの粘度を示しており、お車の取扱説明書に記載のオイル粘度のエンジンオイルを選んでください。

    合成油→ベースオイルが化学合成油ベースであることを意味しております。

    ILSAC:GF-6A→ILSAC規格がGF-6Aであることを示しており、現時点の最新規格となります。

  • Q3.指定粘度って何ですか?

    お車の取扱説明書に記載されているそのお車に推奨しているオイル粘度です。例えば、0W-20指定と記載されていましたら「0W-20」のエンジンオイルを、5W-30指定とありましたら「5W-30」の粘度のエンジンオイルをお選びください。

  • Q4.5W-30が指定粘度の車に0W-20のエンジンオイルを使用できますか?

    5W-30を指定粘度としているお車は、5W-30のエンジンオイルを使用することを前提にエンジンが設計されています。指定粘度より柔らかい0W-20のエンジンオイルを使用すると、油幕切れのリスクが高まり、油幕切れによる異音や異常摩耗、最悪の場合はエンジンの焼き付きの原因となる場合があります。0W-20のエンジンオイルは、基本的に0W-20指定車以外には使用しないようにしましょう。

  • Q5.エンジンオイルを交換しないとどうなりますか?

    エンジンオイルは燃焼時に発生したカーボンやスラッジなどの燃えカスを洗い流しているので、長い間交換をしないと、これらの汚れがたまっていき、エンジンの本来の性能が発揮できなくなります。
    さらにエンジン内部に摩擦などによるキズがつくなどエンジンにダメージを与えてしまい燃費の悪化/オーバーヒートなどを引き起こし故障へと繋がってしまいます。

  • Q6.よく3L缶と4L缶を店舗の売場やネットの商品ページで見ますがどちらを選べば良いのですか?

    お車によって使用する(交換する)オイル量が異なります。一例ですが、軽自動車でしたらオイルのみの交換でしたら3L缶をお求めいただければ概ね問題ございません。詳しくは、お車の取扱説明書にオイルのみ交換時●L、オイルとオイルフィルター交換時●Lというような表記がございますのでご確認ください。エンジンオイル交換時に必要となるオイル量をご確認いただき、3L缶か4L缶かをお選びください。

  • Q7.エンジンオイルを規定量通りに入れないとどうなりますか?

    エンジンオイルが規定より少ない場合はオイルが休まる時間が少ないので劣化が早まります。また、少なすぎるとオイルを吸い上げることが出来なくなり、油膜切れを起こして最悪はエンジンを壊してしまいます。
    逆にオイルが多いと摩擦ロスが増えるため、燃費が悪化しパワーもダウンします。さらに、燃焼室内にオイルを運んでしまうのでオイル上がりの原因となり、燃焼室内にカーボンが積み重なってしまいます。
    エンジンオイルは入っていればよい…のではなく、正しい量が入っていることが重要です。
    オートバックスグループではオイル交換作業後にピットスタッフがお客様と一緒にオイルゲージを見て、オイル量の確認を行いますのでご安心ください。

  • Q8.オイル交換後に余った缶オイルはどのように保管すれば良いですか?

    ボトルタイプであればしっかりとキャップを締めるようにし、また4L缶であれば封冠(キャップ)がパチッというまで確実に封をします。フタと容器の間にサランラップを挟むようにすると密閉性が上がり水分の混入を減らすことが可能です。
    余ったエンジンオイルが少ない場合、缶の中はほとんどが空気ということになってしまいますので、このような時はオイルを小さな容器に移し替えるようにします。こうすることで容器の中の空気に含まれた水分や酸素がエンジンオイルに与える影響が少なくなり酸化と劣化の促進を抑えられます。
    しっかりと密封して、空気にふれないようにする。さらに直射日光の当たらない、冷暗所で保管することがポイントです。どんなに保管状態に気を配っても開封後であれば劣化は進んでしまいます。一度開封したエンジンオイルは1年以内に使い切ることをオススメします。
    次のエンジンオイル交換を行う時には、状態を確認して早めに使用するようにしましょう。

  • Q9.エンジンオイル交換を自分でしたいと思いますが、廃油の処理はどうしたら良いですか?

    エンジンオイルを廃油として捨てられるかは自治体によって異なりますので事前にお住まいの市町村に確認しましょう。
    エンジンオイルをDIYで行うために廃油処理パックなどの商品もございますが、家庭用一般ゴミとして収集してくれるか自治体のルール確認は必要となります。また、エンジンオイルを購入したお店で引き取ってもらえるか、或いはフルサービスのガソリンスタンドで引き取ってもらえるか相談、確認する方法もございます。
    持ち運びに際しては、エンジンオイルの空き缶など密閉できる容器に廃油を入れ、こぼれないようにご注意ください。

  • Q10.なぜ短距離走行はシビアコンディションに含まれるのですか?

    1回の走行距離が短い場合には、エンジンが完全に温まる前に運転を終えてしまいがちとなり、低温での走行の方はエンジンオイルへの負担が大きいためシビアコンディションになります。

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