ワイパー交換は自分でできる?選び方や手順、費用について解説

ワイパーは自動車の安全装備の1つであり、定期的な交換が必要な部品です。ただ、運転時に毎回使用するわけではないため、ワイパーのメンテナンスを定期的に行うドライバーの方は少ないかもしれません。

それでも、久しぶりに動かしたときに「何か異音がするかも?」と異常に気づくこともあるはず。これは、ワイパーのゴム部分が、日光や雨風にさらされて劣化したなどの理由が考えられます。

ワイパーは、カーディーラーやカー用品店、ガソリンスタンドで交換してもらえるほか、自分でも交換可能ですが、どうするのがベストなのでしょうか?この記事では、オートバックスの整備士・秋田純平に、ワイパーの種類や選び方、交換すべきタイミングや交換にかかる費用のほか、自分で交換する方法などを聞きました。

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ワイパーの交換が必要なサイン

ワイパーは、ワイパーゴムやワイパーブレードといった部品の劣化や不具合がないかを確かめ、もし問題があれば交換するようにしてください。

雨や雪の日でなければ利用しないワイパーは、エンジンやタイヤなどに比べると、メンテナンスの必要性を感じない方もいるでしょう。しかし、雨や雪の日の視界確保にワイパーは必須。もしもワイパーのメンテナンスを怠って肝心なときに稼働しなければ、最悪の場合、事故につながるおそれもあります。
動きはするものの、拭きムラなどによって視界が悪くなったり、「ヘアライン」と呼ばれるすり傷がガラス面についたりする可能性もあるのです。

ワイパーのメンテナンスは欠かさないようにしたいものですが、実際に何をすればいいのかわからない方も多いのではないでしょうか?まずは、ワイパーを交換するサインはどのような状態なのかご紹介します。

ワイパーゴムが劣化している

ワイパーを構成する部品の中で一番劣化しやすいのが、ワイパーゴムです。これは、直射日光があたったり、ワイパー稼働時に摩擦が発生したりすることなどが原因。ワイパーを動かしたときに、フロントガラス面に下記のようなサインがあれば、ワイパーゴムが劣化している状態なので、交換が必要です。
<ワイパーゴムが劣化しているサイン>
・ワイパー稼働時にガタガタと音がして、細かい筋の拭き残しがある
・ワイパー稼働時に拭きムラが発生したり、にじみが残ったりする

ただ、このようなサインが出ていても、フロントガラス面に油膜汚れがついているといった理由も考えられます。そこで、このようなサインがあるときは、実際にワイパーゴムの状態を確認してください。下記のような症状があれば、交換が必要です。

<交換が必要なワイパーゴムの症状>
・ワイパーゴムを手でさわってみると、弾力がなくなり硬化して固くなっている
・ワイパーゴムが裂けていたり、ひび割れしたりしている
・ワイパーゴムが変形して、波打つようになっている

<整備士・秋田のコメント>

ワイパーゴムは一見正常に見えても、確認すると変形していることもあるので注意してください。問題なく使えているからといって安心せずに、チェックしてみましょう。実際に新しいワイパーゴムに交換したら、これまでのワイパーゴムとは違って、水はけが大きく改善されることもありますよ。
ワイパーブレードがさびたり色あせたりしている
ワイパー稼働時に問題がある場合、ワイパーゴムだけでなく、ワイパーブレードの劣化も疑う必要があります。特に、ワイパーを稼働させたときに動きがガタついていたり、異音がしたりしていれば、ワイパーブレードがあやしいといえるでしょう。
また、ワイパーブレードの金具が緩くなっていたり、さびたり色あせたりしていれば、劣化のサインです。ワイパーブレードをワイパーゴムとともに交換したほうが安心です。

<整備士・秋田のコメント>

ワイパーゴムを交換しても改善しないときは、ワイパーブレードが劣化して、ワイパーゴムをガラス面に押し付ける力が弱くなった可能性を疑ってみてください。

ワイパー交換のサイクルは?

ワイパー交換を行うタイミングは、ワイパーゴムやワイパーブレードの劣化です。これらの部品は、どれくらいのサイクルで劣化するものなのでしょうか。ここでは、ワイパー交換のサイクルについてご紹介します。

ワイパーゴムの交換サイクルは6ヶ月1回がおすすめ

ワイパーゴムの交換サイクルは、6ヶ月に1回がおすすめです。ワイパーゴムは、ガラス面に直接あたるため、ワイパーブレードに比べて傷みやすいです。さらに、ワイパーゴムはゴム素材なので、直射日光で劣化しやすいといえます。

ワイパーブレードの交換サイクルは1年に1回がおすすめ

ワイパーブレードの交換サイクルとしては、1年に1回がおすすめです。ワイパーブレードはワイパーゴムに比べて劣化しにくい部品ですが、ガラス面とワイパーゴムとの摩擦力の影響を受けつつ稼働するため、劣化は避けられません。
なお、ワイパーブレードにはワイパーゴムがついているため、ワイパーブレード交換時には両方の部品をいっしょに交換することになります。

<整備士・秋田のコメント>

視界不良だったり、ワイパーが動かなかったりと、ワイパーに問題があれば車検に通りません。車検時も交換するタイミングといえますね。

ワイパーで交換できる部品とその種類

ワイパーは1つのユニットではなく、「ワイパーゴム」「ワイパーブレード」「ワイパーアーム」という3つの部品から構成されています。また、ワイパーゴムやワイパーブレードにはいくつか種類があり、それぞれ特徴を持っています。
ここでは、ワイパーで交換できる部品とその種類について見ていきましょう。

ワイパーの種類

ワイパーは大きく分けて「雨用ワイパー」と「雪用(冬用)ワイパー」があります。

・雨用ワイパー
一般的に使われているワイパーです。ガラス面への追従性が高く、雨の払拭力に優れています。一方、寒冷地では凍結しやすく、ブレードがさびやすいです。

・雪用(冬用)ワイパー
雪用ワイパーは雪に強いワイパーです。ブレードに凍結防止のカバーがあることが多いです。凍結対策だけでなく、雪や低温に対応できる強度があり、ガラス面に積もる雪も難なくかき出します。また、塩害などからサビの発生を抑えるためにステンレス製のブレードを採用しているものもあります。寒冷地仕様車には標準で装備されている場合があります。

ワイパーゴムのタイプ

ワイパーゴムはワイパーの最先端部分に備わっており、ガラス面に密着して雨などの水分を拭き取る部品です。
ワイパーゴムは、種類によって水はけ具合が異なります。大きく分けて「ノーマルタイプ」「グラファイトタイプ」「撥水タイプ」の3タイプがあります。それぞれ、どのような特徴があり、どのようなドライバーに向いているのかご説明しましょう。
・グラファイトタイプ
グラファイトタイプのワイパーゴムは、ゴム表面がグラファイト加工(炭素加工)されているため、ガラス面との摩擦が軽減されて滑りが良いのが特徴です。また、撥水コーティングをしたガラス面との相性が良く、コーティングの効果が長持ちします。水はけ性能が気になるドライバー向きです。
オートバックスグループではノーマル(グラファイト)タイプとして販売しています。

・撥水タイプ
撥水タイプは、ワイパーを稼働させることによって、ガラス面に撥水効果のあるコーティングができるワイパーゴムです。高い水はけ性能を得たいなら、撥水タイプが最適です。ワイパーゴムの種類の中では、一番価格の高いワイパーゴムですが、撥水タイプを使えばガラス面の撥水コーティングは必要なくなり、値段に見合うパフォーマンスを得られます。「ガラス面に撥水コーティングを施すのは面倒」というドライバーに向いているといえるでしょう。

<整備士・秋田のコメント>

希望するワイパーゴムによっては、ワイパーブレードごと交換しないと使えないタイプもあります。ワイパーゴムが愛車に使えるかどうかわからない場合は、オートバックスのスタッフにご相談ください。

ワイパーブレード

ワイパーブレードは、ワイパーゴムをガラス面に密着するように押し付けるための部品です。ワイパーブレードには、「トーナメントワイパー」「フラットワイパー」「デザインワイパー」といった3つの形状があります。
それぞれ、どのような特徴があり、どのようなドライバーに向いているのかをご説明しましょう。
・トーナメントワイパー
トーナメントワイパー(スタンダードタイプ)は、一般的なワイパーブレードです。一般的とはいえ、ワイパーブレードは強度を必要とする部品なので、骨格部分の強度は十分。曲面が多いガラスに対して、拭き取り効果が高いことも見逃せません。ちなみに、トーナメントワイパーの名前の由来は、大きなフレーム内に小さなフレームが組み合わさることで、トーナメント表のような形状になっているからです。
性能は申し分なくて安価ですが、デザインとしてはとてもシンプル。仕事用に使う車を持っているドライバーや、ワイパーの見た目に特にこだわらないドライバー向きといえるでしょう。

・デザインワイパー
デザインワイパーは、デザイン性に優れたワイパーブレードです。デザインワイパーは、見た目の良さだけが特徴ではありません。曲面が多いガラス面に対して拭き取り効果が高く、なおかつ高速走行時のワイパーの浮きを抑えられるといった、トーナメントワイパーとフラットワイパーのメリットをあわせ持ちます。最近では国産車の純正装着も多いです。

・フラットワイパー
フラットワイパー(エアロタイプ)は、空気抵抗を受け流すようなエアロデザインが特徴のワイパーブレード。高速走行してもワイパーが浮かず、しっかりと雨を拭き取ることもあり、輸入車の装着率が高いワイパーです。ちなみに、ワイパーブレードとワイパーゴムが一体化したフラットワイパーもあり、ワイパーゴムのみの交換ができない場合があるので注意が必要です。コストをかけてでも、安心できる性能を求めるドライバーに向いています。

<整備士・秋田のコメント>

デザインワイパーはやや値が張りますが、トーナメントワイパーのような骨格部分が見えないようにデザインされていて、車のデザインとの一体感があります。性能も魅力的なので、ワイパーにこだわりたい方におすすめです。

ワイパーを選ぶ際のポイントは?

ワイパーゴムやワイパーブレードにはさまざまな種類があり、購入の際に迷うこともあるはず。しかし、どのように使うのか、何を重視するのかを知れば、交換するワイパーを決めることは決して難しくありません。続いては、交換するワイパーを選ぶ際のポイントをご紹介します。

自分の車に適合したワイパーを確認する

ワイパーゴムやワイパーブレードを交換する際、必ず確認しなければいけないのが、選んだワイパーが自分の車に適合しているかどうかです。カー用品店で気に入ったデザインワイパーを見つけても、そのワイパーが自分の車に適合しなければ、車につけることはできません。

適合するワイパーの型を見つけるための最も早い方法は、カー用品店に置いてあるワイパーのカタログで確認すること。その際、自分の車の車種・型式・年式の情報が必要になるので、事前に車検証などで確認しておきましょう。店内に車検証を持っていけば、カー用品店のスタッフに探してもらえます。本当に適合しているか確認してもらう際にも役立ちます。

オートバックスでは店頭に「電子適合システム」が設置してあります。車のメーカー、型式から適合検索できる他、スマホアプリ、ポイントカードの会員バーコードをスキャナにかざすことで適合検索が可能になります。

注意したいのは、中古で購入した車の場合。車についているワイパーブレードが純正とは限りません。そうなると、いくら車検証を持ち込んで適合するワイパーゴムを見つけても、実際に取り付けられない可能性もあります。

現状でついているワイパーブレードがどれなのかを調べる方法か、あるいはワイパーブレードごと交換してしまう方法もあります。中古車であればワイパーブレードも傷んでいることもあるので、交換も視野に入れておいたほうがいいでしょう。

ワイパーの価格で選ぶ
価格で選ぶのが、一番シンプルなワイパーの選び方です。
ワイパーゴムもワイパーブレードも、デザインや性能を重視しないのであれば、価格を優先し、愛車に適合するワイパーを選んでみてください。
ワイパーの性能で選ぶ
ワイパーゴムやワイパーブレードは、いくつかの種類があり、それぞれ特徴がある部品です。用途に合わせて、性能を発揮するワイパーを選ぶ方法もあります。

例えば、撥水性の高いワイパーを装着したいと考えていて、車のフロントガラスに撥水コーティングをしていないのであれば、撥水タイプのワイパーゴムを選んだほうがいいでしょう。
もし、高速道路で走ることが多いのであれば、高速走行でもワイパーが浮かないデザイン・フラットワイパー(エアロタイプ)のワイパーブレードを選ぶべき。降雪地域に住んでいるなら、凍結防止のカバーがついた雪用タイプのワイパーゴムが最適です。
純正のワイパーか市販のワイパーか
車に標準装着されていたメーカー純正のワイパーか、あるいは市販のワイパーかという選択もあります。
価格面で見ると、カーディーラーで交換する純正ワイパーのほうが高いことが多いはず。また、車種によりますが、車に合わせたデザインが施されている純正ワイパーもあります。

一方で、高性能・高価格の市販ワイパーを選べば、純正ワイパーより高い満足度が得られるかもしれません。車をカスタマイズして個性を主張したいドライバーであれば、市販のデザインワイパーを選ぶのも選択肢の1つです。

<整備士・秋田のコメント>

輸入車の場合、市販のワイパーは適合しないことも。輸入車のワイパー交換を希望の場合は、オートバックスで純正品を取り寄せることも可能なので、ぜひご相談くださいね。

ワイパー交換の方法と交換にかかる費用

ワイパーブレードやワイパーゴムなどを交換するにはいくつかの方法がありますが、どの方法が安く済むのでしょうか。
ここでは、ワイパーの交換方法別に、それぞれにかかる費用についてご紹介します。

ワイパー交換を自分で行う

ワイパーブレードやワイパーゴムは、自分一人でも交換可能な部品です。ワイパー交換にお金をかけたくないなら、自分で交換することをおすすめします。

ワイパーのセルフ交換を行う際にかかる費用は、ワイパーブレードまたはワイパーゴムを購入する部品代のみ。当然ですが、工賃はかかりません。
車種にもよりますが、ワイパーブレードをカー用品店などで買うと、運転席・助手席側合わせて約2,000~8,000円、ワイパーゴムをカー用品店などで買うとすれば約1,000~3,000円。つまり、ワイパーブレードを交換したとしても、だいたい8,000円以内に収まるでしょう。好みのデザインや種類のワイパーを、自分の好きなタイミングで交換できるのもメリットです。

<整備士・秋田のコメント>

「自分の車は、できるだけ自分で面倒をみたい」というドライバーの方は、自分でワイパーを交換してみるのをおすすめします。

ワイパー交換をカー用品店に依頼する

ワイパー交換を自分で行うことに不安があるなら、カー用品店に作業を依頼することをおすすめします。

カー用品店でワイパー交換を行うと、工賃が300~1,000円程必要になります。あとは、ワイパーブレードまたはワイパーゴムといった部品を購入する費用がかかります。

ワイパー部品自体は自分で購入するので、適合しているワイパーであれば、好みのデザインや種類のワイパーをつけられます。また、お店で適合確認をしてもらえるので、安心感は高いといえるでしょう。
ワイパー交換をガソリンスタンドに依頼する
ワイパー交換は、ガソリンスタンドにも作業を依頼可能です。走行中に不具合が発生し、できるだけ早くワイパーを交換したい場合に最適な場所でしょう。
ガソリンスタンドでワイパー交換を行う費用としては、工賃が500~1,000円程です。

ただし、ガソリンスタンドでは、ワイパーブレードしか取り扱っていないケースがあり、ワイパーゴムだけの交換ができない場合があります。また、商品在庫数が限られることもあり、好みのワイパーを選べないことも。
ワイパー交換をカーディーラーに依頼する
ワイパー交換は、車を購入したカーディーラーでも作業を依頼できます。車検や法定点検などの際にいっしょに交換してもらうのもいいでしょう。
カーディーラーでワイパー交換を行う費用の目安としては、工賃が1,500円程。

カーディーラーでのワイパー交換が高くつく理由は、割高な純正ワイパーを使うことと、工賃自体が高いことの2つがあります。自分が交換したいと思っている市販ワイパーを選ぶことができない上、価格も4つの方法の中で割高になるので、費用を抑えたい方は注意が必要です。

■ワイパー交換の費用の目安

  工賃 ワイパーブレード ワイパーゴム
自分で交換 0円 約2,000~8,000円 約1,000~3,000円
カー用品店で交換 約300~1,000円 約2,000~8,000円 約1,000~3,000円
ガソリンスタンドで交換 約500~1,000円 約2,000~8,000円 約1,000~3,000円
カーディーラーで交換 約1,500円 約4,000~8,000円 約2,000~3,000円

ワイパー交換が必要か確認するには?

ガラスに拭きムラがあるからといって、すぐにワイパーを交換する前に、「本当にワイパー交換が必要なのか」を確認することが大切です。ここでは、ワイパーの交換前に確認すべきポイントをご紹介しましょう。
ワイパーゴムが正しく装着されているか
ワイパーゴムが、ワイパーブレードに正しく装着されているかを確認しましょう。
カー用品店やカーディーラーに依頼していれば問題ないはずですが、注意したいのは自分でワイパーゴムを交換した場合。きちんと装着されていない可能性もありますので、念のため確認してみてください。
車のガラス面に油膜や撥水剤が残っていないか
車のガラス面に油膜や撥水剤が残っていると、撥水が効いている部分とそうでない部分ができて、ガラス面がまだらに見えることがあります。このような場合、一度ガラス面の汚れなどを専用のクリーナーできれいに拭き取り、再度ワイパーを動かしてみてガラス面の状態を確認しましょう。

<整備士・秋田のコメント>

ガラスに油膜が残っているケースは意外に多いので、注意してください。自分で普段から油膜取りなどをしていないようであれば、ワイパー交換前に一度試してみる価値はあります。

自分でワイパー交換をする際の注意点

自分でワイパー交換をしようと考えているのであれば、いくつか注意したいポイントがあります。ワイパー交換自体は、それほど難しいことではありませんが、失敗すればケガをしたり、車を傷つけたりするからです。次のポイントに注意して行うようにしてください。
決して無理に力を入れないこと
自分でワイパー交換をするとき、ワイパーブレードなどの部品が「抜けない」「はまらない」という事態がしばしば発生します。力任せに抜こうとしたり、はめようとしたりすると、部品を壊したり、ワイパーアームを曲げてしまったりすることがあるので気をつけてください。
交換作業がスムーズにいかないのは、抜こうとする部品の抜く方向が間違っていたり、はめようとする部品の取り付け位置が間違っていたりすることが原因として考えられます。ワイパー交換は力を必要とする作業ではありません。決して無理に力を入れず、説明書などを見ながら行いましょう。
ケガに注意する
交換するワイパーの部品は、鋭利で危険な部分があるわけではありません。ただし、金属製の部品もあり、事故が起きないという保証もないのです。
自分でワイパー交換を初めて行うドライバーは、つい力を入れすぎてしまうこともあります。すると、部品を壊した上に、手にケガを負う可能性も…。ケガのないよう、細心の注意を払って交換作業を行ってください。
ガラス面を雑巾やタオルで保護する
ワイパー交換で自分がケガをしないようにすることはもちろんですが、自分の車を傷から守ることも大切です。作業中に立てていたワイパーアームが何かの拍子に元の位置に戻ると、バネの力で強くガラス面にあたります。最悪の場合、ガラスが割れてしまうこともあるので注意が必要です。
作業中はガラス面に雑巾やタオルを置き、ワイパーアームから保護するようにすることをおすすめします。

<整備士・秋田のコメント>

作業開始前に、交換するワイパーが本当に適合しているのかを、あらためて確認しましょう。特に、中古車を購入した場合は注意が必要です。交換作業を始めたら、「前オーナーが純正品とは違うタイプのワイパーブレードに交換していたようで、用意したワイパーゴムがつけられなかった」というのは、よくある話です。

ワイパー交換のために用意しておくもの

自分でワイパー交換をするときは、事前に必要なものをしっかりと準備しておくようにしましょう。ワイパーを交換しているときに困ることのないよう、ワイパー交換時に必要なものをご紹介します。
交換部品(ワイパーゴム、ワイパーブレード)
新しい交換部品の用意が必要です。ワイパーゴムだけを交換するのか、ワイパーブレードも同時に交換するのかを決めて、適合する部品を用意しましょう。
厚手のタオルや雑巾
ワイパーの交換作業中は、ガラス面の保護が必要です。厚手のタオルや雑巾といった布を用意しておいてください。作業中に汚れる可能性も高いので、使わなくなったタオルで構いません。
汚れてもいい服装や手袋
ワイパー交換では、エンジンオイルを交換する作業に比べればそれほど汚れることはありませんが、汚れてもいい服装での作業をおすすめします。汚れだけでなく、手をケガしないようにガードする意味も含めて、手袋(軍手など)をして作業に臨んでください。
手が届きにくいときのための踏み台
車種や作業場所によっては、手が届きにくい箇所の作業も起こりえます。車種によっては踏み台などを用意しておくと安心です。背の高い車でも、安心して作業ができます。

ワイパーの交換を自分で行う場合の作業の流れ

自分で実際にワイパーの交換をするときの作業の流れについて、詳しくご紹介します。ここでは、スズキ・ハスラーのトーナメント形状のワイパーゴムだけを交換していますが、交換時にワイパーブレードも外すので、ワイパーブレード交換をしたい方にも役立つはずです。

1. ワイパーの問題を確認する

作業は、手袋(軍手など)を装着してから始めます。まずは、ワイパーに本当に問題があるかどうかを確認しましょう。
今回の例では、ワイパーゴムの部分が波打っていることが確認できました。すぐにワイパーが使えなくなるわけではありませんが、これもワイパーゴム交換のサインといえます。

2. ガラス面を保護する

ワイパーアームからワイパーブレードを取り外す段階で思わぬ事故が起きないように、ガラス面にタオルなどを置いて保護します。ワイパーは2本同時ではなく、1本ずつ交換作業を行ってください。

<整備士・秋田のコメント>

ワイパーブレードは、右用と左用が異なる場合がありますので、左右を間違えないようにしましょう。もし間違えてもついてしまうので、雨の日になるまで気づかないことも。交換後に、一度霧吹きでガラス面に水を吹きかけてワイパーを稼働させれば、ワイパーが問題なく拭き取りをしているかを確認できますよ。

3. ワイパーアームを立てる

ワイパー交換のために、ワイパーアームを立てます。ワイパーアームを立てるときは、必ずワイパーアーム部分(根本)を持つようにしてください。もし、ボンネットの下にワイパーアームが隠れるタイプの車種であれば、作業しやすい位置までワイパーを稼働させます。今回の車種は、手でワイパーアームを立てるだけでした。

4. ワイパーアームからワイパーブレードを外す

ワイパーアームからワイパーブレードを外します。
ワイパーアームとワイパーブレードの接続部分に突起があるので、この突起部分を押しながら、ワイパーブレードをスライドさせてワイパーアームから外しましょう。

このとき、外す位置や方向が間違っていると、ワイパーブレードは抜けません。最初は知恵の輪のように迷うことがあるかもしれませんが、必ず簡単に抜ける場所がありますので、探してください。

5. ワイパーアームを寝かせる

ワイパーブレードを外したら、ワイパーアームを寝かせます。ワイパーアームとワイパーブレードを接続していた部分にスポンジなどをかませると、より安心です。

6. ワイパーブレードからワイパーゴムを外す

ワイパーブレードから、ワイパーゴムを外します。
ワイパーブレードの先端近くには、ワイパーゴムをロックしているロック穴があります。ロック部分に注意しながら、ワイパーゴムを抜いてください。

7. ワイパーゴムを取り付ける

古いワイパーゴムを抜いたら、新しいワイパーゴムをつけましょう。新しいワイパーゴムを部品のケースから出すと、針金のような金属部分を固定するパーツあるので、ワイパーブレードへの取り付け前に外します。

ただし、この固定するパーツを外すと金属部分が飛び出てくるので、バラけないよう外すタイミングにご注意ください。
ワイパーゴムをワイパーブレードに差し込むときには、ワイパーゴムを抜いた側から入れます。このとき、ワイパーゴムの表と裏を間違えないようにしてください。反対につけてしまうと、きちんと固定されずに抜けてしまうことがあります。
ワイパーゴムの表裏を確認したら、ワイパーゴムの溝に噛み合わせながら、ワイパーブレードに差し込んでいきます。

もし、差し込む途中でゆがんでしまっても焦らないでください。最後の段階でもリカバリーは可能なので、まずはワイパーブレードの根本部分までしっかりと差し込むことを優先します。
根本まで差し込んでロックしたら、ワイパーゴムの溝がワイパーブレードに噛み合うように調整します。

8. ワイパーブレードをワイパーアームに取り付けて、ワイパーアームを寝かせる

ワイパーブレードにワイパーゴムを装着したら、ワイパーブレードをワイパーアームに取り付けます。取り付けは、外したときと逆の手順です。
ワイパーアームを寝かせるときは、まえもって保護用のタオルを外し、その後でゆっくりとガラス面に戻しましょう。
これで、自分でワイパーゴムを交換する作業は完了です。

輸入車のワイパーは整備のプロによる交換が安心

国産車のワイパーの大半は自分で交換できますが、輸入車の場合はどうでしょうか。車種にもよりますが、特殊なワイパーブレードが使われていることもあり、交換が容易ではないケースが見受けられます。
例えば、メルセデス・ベンツSクラスの場合、写真上のような海外メーカーのフラットワイパーを使用しています。写真下の一般的なトーナメントワイパーと比較するとわかるように、車のフロントガラスの曲面に沿って作られているワイパーブレードです。
なお、フラットワイパーには、コネクタ(アタッチメント)というパーツがついています。複数の車種に合うよう作られたフラットワイパーの場合、パッケージ内にはコネクタがいくつか同封されています。同封マニュアルを見ても、自分の車種にどのコネクタが適合するのか、どれを選ぶべきなのかは、わかりにくいかもしれません。

このような場合でも、お気軽にオートバックスにご相談ください。知識豊富なスタッフが対応します。
輸入車・国産車を問わず、ワイパー交換費用を抑えたいけれども、自力でのワイパー交換作業に不安を感じる方は、お気軽にオートバックスにご相談ください。

ワイパーに関してよくある質問

最後に、オートバックスでよく聞かれる、ワイパーに関する質問をご紹介します。いずれも、一般ユーザーでは解決しにくい疑問なので、覚えておいて損はないはずです。

Q. フロントガラスを撥水コートしたら、ワイパーから異音がするのですが?
実は、ワイパーと撥水剤には相性があります。組み合わせによってはワイパーがスムーズに動かなくなることがあるのです。ただし、ワイパーが劣化している場合も同様に異音がするので、相性ばかりとは限りません。
フロントガラスに撥水剤でコートを施したときには、ワイパーも新調したほうがいいでしょう。ワイパーには滑りの良いグラファイトタイプをおすすめします。
Q. ワイパーのウォッシャー液は、水道水にしてもいいですか?
ウォッシャー液は、必ず市販のものを使用してください。ウォッシャー液の代わりに水道水を使う方もいますが、水道水にはカルシウムが含まれていて、シミやにじみの原因になるので、水道水の使用は避けたほうがいいでしょう。

<整備士・秋田のコメント>

ウォッシャー液として水道水を使用するのは問題がありますが、真水であればカルシウムは含まれていませんので、緊急時に代用はできます。

ワイパー交換はオートバックスに任せたほうが安心でお得!

ワイパー交換は、一般的な車種であれば交換が可能です。しかし、交換の手間もある上に手をケガしたり服が汚れたりするかもしれません。最悪の場合、フロントガラスにひびが入ったり、ワイパーアームを曲げてしまったりすることも。そんなリスクがあるなら「自分でやりたくない」と思う方もいるでしょう。

また、輸入車であれば、そもそも自力での交換は難しい場合もあるでしょう。
そこで、オートバックスでワイパー交換する5つのメリットを紹介します。
① 自分での交換が慣れていなくても、気軽に相談・依頼できる
② 品揃えが豊富で、たくさんの種類から選べる
③ 他の作業のついでに依頼できる
④ メンテナンスオプションに加入するとワイパー交換の基本工賃が無料
⑤ 交換した商品や日付を記録できる

「工賃がかかるのがちょっと…」という方におすすめなのが、オートバックスの「メンテナンスオプション」です。


オートバックスのワイパー交換の基本工賃は


・ワイパーブレードの交換工賃の目安:税込220円前後~/運転席・助手席用
・ワイパーゴムの交換工賃の目安:税込330円前後~/運転席・助手席用


ですが、オートバックス会員にご入会、メンテナンスオプションにご加入いただければ、ワイパー交換の基本工賃が無料で、加入期間中は何度でも無料で交換可能です。メンテナンスオプションはそのほか、エンジンオイルやオイルフィルター、エアフィルターなどの交換基本工賃が無料になります。


メンテナンスオプションの加入価格は、1台につき税込1,100円(※会員ランクによって優遇されます)。オートバックスで車検を受けると、特典としてメンテナンスオプションが2年間付帯になります。


さらにオートバックスの公式アプリを使うとオートバックスのピットで作業したメンテナンス内容が自動的に記録されます。うっかり交換するのを忘れるといったことを防ぐなど次回メンテナンスの際に役立ちます。


ぜひ、オートバックスへの来店と、メンテナンス会員の入会をご検討ください。

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