とことん極める
カー用品店の店内というと、エンジンオイルの缶やタイヤがズラッと並ぶ様子を思い起こす人が多いでしょう。ましてオートバックスのフラッグシップストアともなれば、その品ぞろえがすごいのでは?
そんな期待をして「A PIT AUTOBACS SHINONOME」に入店すると驚きます。
▲ファッション誌などを含め、まるで書店のように多数の雑誌や書籍が!
▲アパレルアイテムコーナーも充実して、ショッピングモールの様相
フロアーにはアパレルや書籍、そしてミニカーがズラリ。さらに同じフロアーにはシアトル系カフェもあり、本を読みながらくつろぐ人も。これは一体どういうこと!?
オートバックスの旗艦店として8年前にオープンした「A PIT AUTOBACS SHINONOME」。晴海通りと国道357号線の交差する「東雲交差点」のすぐそばという好立地にあることから、都内はもちろんのこと、千葉や神奈川からも訪れる人が多いお店です。
▲近代的な外観のA PIT AUTOBACS SHINONOME
また東京臨海高速鉄道りんかい線「東雲駅」から徒歩3分の場所であることから、車を持たない人や訪日観光客も訪れやすい場所といえます。
3階建ての建物のうち、1階は車検やオイル交換などのピットスペース。店舗は2階と3階で、2階はライフスタイル向けアイテムが充実した「LIFE & CAR SHOP」。3階は愛車のカスタマイズを提案する「SPECIALTY SHOP」というフロアー構成です。
▲3階から2階を見下ろすとオシャレなセレクトショップのよう
店内を詳しく紹介する前に、まずはストアマネージャーの花井さんにお話を聞いてみましょう。さっそく「A PIT(あ ぴっと)」のコンセプトから尋ねてみることにしました。
<お話を伺った人>
花井翔(はない・しょう)
A PIT AUTOBACS SHINONOMEストアマネージャー。前身であるスーパーオートバックス東京ベイ東雲に勤務ののち現職。A PIT企画推進部として日々、楽しいお店づくりに奔走している。
ちなみにA PITの名を冠する店舗はA PIT SHINONOMEのほか、2022年にオープンした京都四条店、A PIT AUTOBACSの基本コンセプトであるクルマと共に過ごす居心地の良い空間、最新設備のピットサービスを提供する「A PIT PERFORMANCE FACTORY新木場」、「A PIT PERFORMANCE FACTORY大阪店」、スーパーオートバックス内にA PITが監修するカースポーツ専門コーナーとして展開する「A PIT PERFORMANCE GARAGE東福岡」、「A PIT PERFORMANCE GARAGE名古
屋」、そして羽田エアポートガーデン2階に2025年11月にテナント型店舗として誕生した日本のJDM文化を体感できる「A PIT AUTOBACS JDM:BASE」 の7店舗があるそうです。
▲「A PIT PERFORMANCE FACTORY大阪店」は車のスポーツカスタムに特化した新コンセプトストア
書籍やアパレルなどを多く取り揃えているのも、「ヒトもピットイン」というコンセプトだから。書籍は自動車関連が中心ですが、ファッション誌や漫画、純文学まで多種多様です。
「特に自動車関連書籍のラインアップは、書店よりも充実していると思います」と花井さんは胸を張ります。ファッションアイテムも「アパレル専門のバイヤーが仕入れを担当しています!」とか。
▲バックナンバーを含め車関連の雑誌や書籍は幅広く、かつ深い
今ではA PIT AUTOBACS SHINONOMEのオリジナルアイテムも開発。スカジャンのような刺繍が施されたアイテムもあり、訪日観光客に人気を集めそう。「実際、海外からのお客様も多いんですよ」と花井さん。
▲日産「GT-R」が描かれるカミナリモーターズとのコラボパーカー
それもあってか観光客向けアイテムも充実。映画『ワイルド・スピード』シリーズにもみられるように、海外では1980〜1990年代の日本のスポーツカーやチューニングカルチャーが人気を集めていることを裏付けているように思えます。
2階のフロアーには、フレグランスや自動車向けクッション。そしてオートバックスの関連子会社が企画・販売するアウトドアブランド「GORDON MILLER (ゴードンミラー)」のアイテムを数多く取り揃えています。ですが、タイヤやエンジンオイルの缶などの展示はありません。
▲アウトドアブランド「GORDON MILLER (ゴードンミラー)」のコーナー
その理由を花井さんに尋ねると「オイルやタイヤは種類が非常に多く、お客様だけで最適な商品を選ぶのが難しい場合があります。そのため私たちは、おクルマの使い方やお客様のご要望をうかがったうえで、最適な商品をご提案しています」とのこと。
これもA PIT AUTOBACS SHINONOMEの特徴のひとつ。ちなみに交換作業は基本的に予約制で、「以前の受付順では、作業開始までの”待ち時間”がありましたが ”予約制”にすることでお客様の利便性を高めています」と花井さん。
▲およそ30台分のピットスペースを用意。取材時も幅広い車種がリフトに上がっていた
オイル交換は、スマホから予約して来店。お店の方とオイルを選び交換作業をスタートする。これがA PIT AUTOBACS SHINONOMEの流れなのだそうです。
作業の待ち時間中は、店内でのショッピングはもちろん、本を読んだりコーヒーを飲んだりして過ごせます。ではお子さんはというと、子ども向けのスペースも用意されているので安心です。
▲1階に設けられた子ども向けのコーナー。絵本や玩具も購入できるのもユニーク
テーブルも用意されているので、待ち時間も飽きることはなさそう。「だれもがちょっとピットイン」というコンセプトは、小さなお子さんにも当てはまるようです。
2階の奥に進むと、ドライブレコーダーやカーオーディオとともに、かなりの数の洗車用品が並ぶコーナーが。愛車を綺麗に保ちたいと願う人の多さが伺えます。
その中に、オレンジ色の洗車用品がありました。これらはA PIT AUTOBACS専売用品で、花井さんによると「お客様の声から生まれました。お客様との距離が近いからこそ、できたアイテムです」だそうで、その出来栄えには自信アリといったところ。
▲オレンジの洗車用品はすべてA PITのオリジナルで、どれもこだわりが詰まっている
中でも給水クロスは「業界最長の11mmパイルを使いまして、ものすごく吸います!」とのこと。実際に筆者も使っていますが、大型のRV車もMサイズ1枚で十分で、お世辞ぬきにオススメです!
▲筆者も愛用している吸水クロスはお世辞に抜きにオススメ。ぜひ試してみてほしい
今後もお客様の声をもとに、アイテムを増やしていきたいとのこと。「こんな製品があったらいいのに」という願いを、売り場の店員に伝えてみてはいかがでしょうか。
階段を上がり3階の「SPECIALTY SHOPコーナーへ。2階とは一転して、カスタマイズパーツがズラリと並び、好きな人にはたまらない空間が広がります。
▲ホイールやチューニングパーツが並ぶ様子にワクワクする人も多いはず
「A PIT AUTOBACS SHINONOMEでは、モータースポーツに力を入れていまして、オリジナル製品の開発をしています」と聞いて、この品揃えも納得です。
それを象徴するひとつが、店内に設けられた「HKS GATE」というエリア。HKS GATEは、大手チューニングパーツメーカーであるHKSが、A PIT AUTOBACS SHINONOMEと「スーパーオートバックス浜松」、「A PIT PERFORMANCE FACTORY大阪」「A PIT PERFORMANCEGARAGE東福岡」 の4店舗で行っているサテライトショップです。
▲HKSのサテライトショップである「HKS GATE」にはマフラーやサスペンションが並ぶ
この「HKS GATE」は定期的に常駐するHKSのスタッフが、より専門的な知識でチューニングのアドバイスを行なうこともあり人気を集めています。
そこから発展し、2023年からHKSとA PIT とスーパーオートバックス浜松、そしてレーシングドライバーの木下みつひろ選手がコラボレーションし、専売商品「HIPERMAX GATE SPEC(ハイパーマックス ゲートスペック)」の発売を開始。
▲日常での乗り心地とワインディングでの楽しさの両立を目指す「HIPERMAX GATE SPEC」
他にもA PIT AUTOBACS SHINONOMEが独自に開発したチューニングパーツ「East cloud」も展開。「ノーマルエンジンでの限界にチャレンジし、ユーザーの手が届く内容で最速を目指す」をコンセプトに掲げ、SUBARU車を中心に商品を揃えます。また、レカロのシートを試座できるコーナーも用意。
▲ラインナップが多いだけでなく、試座できるのも嬉しいレカロコーナー
さまざまな車種を取り扱う中でユニークなのは、イタリアのコンパクトカー「アバルト500」シリーズのパーツが充実しているところ。貴重な5ナンバーサイズのホットハッチとして、注目を集めているようです。
▲ホイールやサスペンションなど、アバルトオーナーが求めていたアイテムがズラリ
さらにチューニングパーツメーカーの大手であるブリッツが、人気アニメ『MFゴースト』とコラボレーションしたコーナーもありました。ここでは実際に劇中に登場するのと同じ仕様のチューニングエンジンを展示。
▲「これと同じエンジンにしてください」というお客様もいるそう
このようにカスタマイズやチューニングにも力を入れるA PIT AUTOBACS SHINONOME。そのノウハウを感じてもらえるよう、店舗独自にチューニングを行ったデモカーも用意されており、体感イベント開催時に予約をすれば助手席で乗り味を体験できます。
▲デモカーの同乗試乗ができるだけでなく、コンプリートカーの販売も行っている
最近人気を集めているベース車はホンダ「シビックTYPE-R(FL5型)」だそうで、「FF最速を、さらに速くされたいというお客様が多いようです」とのことでした。
また、A PIT AUTOBACS SHINONOMEでは、テスラなどEVのカスタマイズにも力を入れています。
▲主に足回りに独自のチューニングが施されたテスラ「モデル3」
「EVでも走りを楽しみたいというお客様は多いんですよ。それに私たちは新しいモノが好きなので」と、花井さんは目じりを下げられました。
毎週、何かしらのイベントを実施しているのもA PIT AUTOBACS SHINONOMEの魅力のひとつ。メーカーの担当者と直接、意見交換ができるだけでなく、パーツなどをオトクに購入できるとあって人気を集めています。
▲取材時に掲示されていたイベントの数々。オフ会の開催数に注目!
こうしたイベントは他店でも見かけますが、A PIT AUTOBACS SHINONOME独自にして長年続いているのが、月に1度、朝から開店前まで行う「モーニング・ミーティング」です。
▲マツダ「ロードスター」をテーマ車としたモーニング・ミーティング
車種やメーカーなどテーマを設け、そのオーナーたちが集まるモーニング・ミーティング。同じクルマを持つ同士が集えば、愛車談義に華が咲くのは必然なこと。遠方からの参加者も多く、そのまま千葉や横浜方面にツーリングを楽しむ人も多いのだとか。
また、車の購入を検討している人にとっては、オーナーに直接、話が聞けるチャンスでもあります。タイミングが合えばぜひ、足を運んでみてください。
▲パートナーやお子さんを連れてぜひ一度、訪れてみてほしい
A PIT AUTOBACS SHINONOMEは、誰もが1日中いても楽しめるお店です。「いつもクルマばかりいじって……」と、パートナーやお子さんから言われている人も、ぜひ同伴されてはいかがでしょうか?
きっと誰もが楽しいピットイン時間を過ごされることでしょう。そして「今度のお休みの日、またあのお店に行きたい」とも。A PIT AUTOBACS SHINONOMEは、クルマがもっと好きになること間違いナシのお店でした。
▲筆者もよく広報車の洗車に利用している
なお、3階建ての駐車場も用意されているほか、24時間利用できる洗車場やテスラ・スーパーチャージャーもありますよ!
取材・文・写真:栗原祥光
企画・編集:木谷宗義/type-e+ヒャクマンボルト