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東京オートサロン2026レポート! AUTOBACSブースのカスタムカーに込められたスタッフの情熱!

2026年1月9日から11日にかけ、幕張メッセで開催された東京オートサロン2026。オートサロンはチューニングやドレスアップほか様々なカスタムパーツから、こだわりのコンプリートカー、自動車メーカーが発信する来年度のモータースポーツ情報まで、およそ自動車に関わる最新トレンドが一堂に集まる人気のイベントです。今年は来場者が27万人を超え、大盛況に開催されました。

AUTOBACSブースではシビックタイプRのフルカスタムコンプリーカー「ARTA GT FL5」や、2025年SUPER GTに参戦した「ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GT」、フルレストアされた「ガライヤ」など、多くの車両を展示。ブース内は常に人であふれていました。

またオートバックスにとってオートサロンは、各店舗のカスタム提案力を広く伝える場でもあります。ブース内に掲げる「さあ、出かけよう!」のキャッチコピーは、ユーザーのライフスタイルに合わせた“出かける楽しさ”の提案、そして十人十色なモビリティライフに寄りそって、常に新しい価値観を提供し続けるといったメッセージを込めたものでした。

ここでは、そんな個性豊かな展示車をご紹介。手がけたスタッフのクルマ好きならではの情熱を感じてもらえれば幸いです。

【CAR STORY 01】

車両名:スーパーオートバックス浜松RZ34
ベース車両:日産 フェアレディZ(RZ34)
製作者:スーパーオートバックス浜松 鈴木 英二さん

メーカーが設計したかのような、一体感のあるエアロパーツをまとう「スーパーオートバックス浜松RZ34」。細部の仕上がりが、ベースであるRZ34の美しさを引き立て、より魅力的にみせています。

内装は随所にウルトラスエードやレザーを施し、シックで落ち着いた雰囲気を演出。外装が作りあげた佇まいをしっかりと受け止め、乗り込んだドライバーをシームレスに「スーパーオートバックス浜松RZ34」の世界に包みます。

「スーパーオートバックス浜松 RZ34」を担当された鈴木英二さんは、これまでにも多くの車両のカスタムを手がけてきました。特に歴代フェアレディZやS660を得意とし、その完成度の高さが評判となって、今や全国のフェアレディZオーナーやS660オーナーが鈴木さんのアドバイスを求め、スーパーオートバックス浜松に訪れているそうです。

――とてもエレガントなRZ34ですね。この「スーパーオートバックス浜松RZ34」のコンセプトは、どのようなものでしょう

「落ち着いた大人のRZ34です。RZ34はデザインを含め、すごくよくできた車です。けれど手をくわえることで、もっと良くなる。エアロパーツはRZ34の綺麗なラインを、より綺麗に出そうと設計しました(鈴木さん)」

――ドレスアップだけでなく、走行性能の底上げもしっかりされていると聞きました

「私どもはCPUのセッティングも得意としています。RZ34もエンジンに手を加えず、500PSを確保しました。パワーを受け止められるよう、足回りやデフも調整していますが、あくまでもストリートでの乗りやすさを優先。コンセプトの通り、大人が乗って楽しめるRZ34に仕上げています」

――このRZ34を製作しようとした切っ掛けを教えてください

「私自身、フェアレディZが大好きだからです。プライベートでもZ33、Z34と乗っています。RZ34を見て、「自分なら、こんな感じにRZ34をカスタムする」という構想が湧き、それを具体的にして会社(オートバックスのFC法人)に相談したのが切っ掛けです」

――なるほど、フェアレディZへの思い入れが原動力となった一台なんですね

【CAR STORY 02】

車両名:スーパーオートバックスKOBE TESLA Model S
ベース車両:テスラ モデルS
製作者:スーパーオートバックス サンシャインKOBE 宮地 元気さん

ノーマルのような色合いながらも、輝きが違うタイプS。近づくと、それは美しくマット仕上げが施されていたからと判明します。ただマットに仕上げただけではなく、高い防傷性能と耐久力を持ったプロテクション(防護膜)を施してあることが、最大の特徴とのこと。

ガラスコーティングに替わるという、新しいボディプロテクションとはどんなものなのか。「スーパーオートバックスKOBE TESLA Model S」の製作を担当された宮地元気さんに、お話をうかがいました。

――モデルSはマット仕上げがとても似合い、格好良いことを知れました。このマット仕上げが、カスタムのポイントですか?

「いえ、このモデルSの一番の特徴は、マットクリア層の下にある「SPPF(スプレーペイントプロテクションフィルム)」です(宮地さん)」

SPPFはその名称の通り、スプレーガンで保護塗料を吹き付ける、新しいボディプロテクションの技法。複雑な形状や曲線といった貼るタイプのプロテクションフィルムが苦手とする箇所でも、厚い防護膜が包み込むように吸着し、しっかりとボディを保護するのだそう。

「貼るタイプのプロテクションフィルムは、どうしても継ぎ目や切れ目が生まれます。もちろん腕の良い技術者ならば、分からないように処理することができます。けれど時間が経つにつれ、どうしてもフィルムは経年劣化し、また汚れが溜まって段差が浮き出て、美観を損ねる可能性が出てきます。SPPFでは、まず車両をパーツごとに分解し、パーツ全体に吹き付けた保護塗料が防護膜となって吸着するので、継ぎ目や切れ目が生じません」

――たしかにドアの開口部とか、フィルムの継ぎ目や切れ目を処理する場所に、なんの段差もみられませんね。防護膜は、どれくらい丈夫なのですか?

「飛び石くらいで破れることはありません。実は弊社のスタッフがSPPFを施した車両をぶつけ、凹みを作ってしまったことがありましたが、それでも防護膜は無事で、ボディ表面に擦過傷を作ることはありませんでした」

――それはすごいですね! では、このテスラにSPPFを施した経緯を教えください

「新車のラインナップに、好きなボディカラーがなかったからです。でもオールペンして、リセールバリューを下げたくない。そこでSPPFを施し、保護膜の上にマットクリア層を吹き付けて磨き、今の状態を作りました。SPPFは綺麗に剥がせるので、新車同然のボディコンディションにより、リセールバリューの上乗せすら期待できます」

――なるほど。スーパーオートバックス サンシャインKOBEはSPPFをはじめ、ボディワークを得意とするお店なんですね

「はい! と、言いたいところですが、弊社は「ハイパースポーツミーティング」という、日本で最大級のチューニングカーイベントを開催しており、スポーツのイメージが強い店舗です。これまでのショップデモカーもフェアレディZ(Z33)、インプレッサWRX STI(VAB)、GR86(ZN8)と、スポーツカーが中心でした。今後は「ボディワークも強い」といった評判を獲得したいですね」

――私も新車を購入する際は、SPPFを検討させていただきます

【CAR STORY 03】

車両名:ARTA オートバックス ヤリスCVT
ベース車両:トヨタ ヤリス(MXPA10)
製作者:スーパーオートバックス富山南 大石 澄海さん

展示された「ARTA オートバックス ヤリスCVT」は、「TOYOTA GAZOO Racing Rally Challenge(以下、ラリーチャレンジ)」に出走するため、レギュレーションに沿って製作されたもの。製作者の大石さんは昨年、富山県のオートバックスFC法人に入社したばかりですが、ラリーチャレンジの出走を果たし、また国内最大級のe-モータースポーツ「JEGT」の認定ドライバーとしてARTAチームで活躍する実績の持ち主。さらなる飛躍が期待されるニューフェイスです。

――この「ARTA オートバックス ヤリスCVT」は、大石さんがラリーチャレンジに出走するため、製作されたのでしょうか?

「そうです。昨年の最終戦に、このヤリスで出走しています(大石さん)」

――ヤリスの製作にいたった経緯を教えてください

「僕は幼い頃からARTAが好きで好きで、いつかARTAのドライバーとして走りたいと夢見てました。それでレーシングカートにも挑戦しましたが、お金が続かなくて……。5年ほどで辞め、以降は『グランツーリスモ』によるe-モータースポーツ競技に活動の場を移しました。

大学の自動車部で実車の競技活動を再開しましたが、思うように実績が残せず、卒業を機にe-モータースポーツも含めた自動車競技活動を諦めようとしたんです。ですが、ここでARTAオートバックスラリーチムの中西正亮さんから「一緒にやろう」って声をかけてもらえ、継続の道が開けました。

大学卒業後に富山県のオートバックスFC法人へ入社。引き続きJEGTに参加すると共に、自動車競技の登竜門であるラリーチャレンジに挑戦できることとなり、このヤリスを製作しました。憧れだったARTAの一員として活動できるなんて、本当に夢のようです」

――実車とe-モータースポーツ、共に活動を続けていたからこそ、チャンスが巡ってきたんですね

「僕のように「競技活動をしたい」って思っている若い方って、多いと思うんですよ。スーパーオートバックス富山南では、実際にラリーの競技現場を体験できるインターンシップ生を募集しており、こちらの支援活動にも参加しています。もし興味があったら、声をかけていただければと思います」

――とても素敵で前向きになれるお話を、ありがとうございました

【CAR STORY 04】

車両名:S2000 リアルチューニング
ベース車両:ホンダ S2000(AP2)
製作者:AUTOBACS ASM YOKOHAMA 金山 新一郎さん

一目で“ただ者ではない!”感が伝わる「S2000 リアルチューニング」。それもそのはず、製作された金山さんは、S2000のスペシャリストとして、広く海外にまで名前の知られるプロデューサー。その一方で、オートバックスで展開する、オートパーツリユースストア「セコハン市場」の先駆けである「走り屋天国セコハン市場一号店」を立ち上げ、今ではS2000とレカロシートの専門店のASM YOKOHAMAを運営する、やり手の仕掛け人としても知られています。

この日も金山さんに挨拶をしたいお客さんが途切れることなく訪れ、引っ張りだこの状態でした。

――「S2000 リアルチューニング」を製作するにあたっての、コンセプトを教えてください

「このS2000は全国のオートバックス、スーパーオートバックスのイベントで大人気でした。車高や排気音をはじめ、完全に車検に適合する仕様でエンジンには手を入れておらず、自然吸気のまま。タイヤはラジアルタイヤですが、筑波サーキットを1分1秒台で走ります。どこでも走れ、速くて楽しいストリートカー。それがコンセプトになります(金山さん)」

――金山さんが運営するASM YOKOHAMAは、S2000を専門としています。S2000にこだわりを抱いた経緯はどのようなものでしょう

「もちろん、大好きだからです。S2000がデビューする前は、やはりホンダが好きだったのでシビックやインテグラに乗っていました。初めてS2000の情報を耳にしたときは「ホンダがFRのオープンカーを出すのか!?」ってビックリするとともに、とてもワクワクしましたね。」

――先ほど、スーパーオートバックス浜松の鈴木さんにお話をうかがったとき、RZ34のエアロパーツはASM横浜とのコラボ商品だと教えてもらいました

「そうです。S2000のカーボンコンポジットエアロパーツは「株式会社チャレンヂ」にお願いして作ってもらっています。チャレンヂは日本有数のカーボンコンポジット製造工場で、航空機や宇宙開発に採用されるほどの高い精度と品質を誇ります。鈴木さんに相談を受け、ご紹介したのがきっかけです」

▼Attack筑波2026でASM with B-Max S2000は55秒台を記録!

https://www.as-web.jp/car/1291338

【CAR STORY 05】

車両名:スーパーオートバックスかしわ沼南 Wonder AR
ベース車両:トヨタ ハイエースバン(3BF-TRH200V)
製作者:スーパーオートバックスかしわ沼南 山﨑 亮さん

キャンピングカーの販売に力を入れている、オートバックスかしわ沼南。展示車の「スーパーオートバックスかしわ沼南Wonder AR」を始めとした「Wonder(ワンダー)」シリーズは、飼い犬や飼い猫といった“ペットと一緒に旅行ができるキャンピングカー”をコンセプトに製作されています。

居住エリアは天然木が使用された、温かみのあるもの。細部までしっかりと作り込まれており、まるで高級家具のようなクオリティ。それもそのはずで、ワンダーシリーズは有名なキャンピングカーブランド「キャンパー鹿児島」とのコラボ商品。“匠(たくみ)”と呼ばれる熟練した家具職人が、素材の選定から組み立てを手がけているそう。

リードの固定具の設置やペット用ウォータータンクの収納スペースを確保など、同行するペットへの気配りが行き届いた「スーパーオートバックスかしわ沼南Wonder AR」。シリーズを担当される山﨑さんは、さぞかし重度な愛犬家、もしくは愛猫家なのかと思いきや……。

――ペットが快適に車内で過ごせるようにという、愛情を感じます。山﨑さんも、ワンちゃんを飼われているんですか?

「いえ、実は私もデザインを担当した者も、ペットを飼っていないんですよ(山﨑さん)」

――ええっ!? それでこの作り込みは意外です。てっきり山﨑さんのペット愛から始まったシリーズかと思っていました

「こういった取材で、よく言われます(笑)」

「当店は長く、キャンピングカーを取り扱っており、多くのお客様に購入していただきました。そして体感で98%のお客様が、ワンちゃんを飼ってらっしゃったんです。聞けばキャンピングカーでの旅行に際し、ワンちゃんは同行せず、身内やホテルに預けている。きっと「一緒に行けるものなら、行きたい」って思っていると思うんですよね。ならば「ワンちゃんも一緒に旅行できるキャンピングカーを作ろう」と、ワンダーシリーズが始まりました」

――98%は盛りすぎな気もしますが、隠れた需要を掘り起こして始まった企画なんですね

「キャンピングカーの製作で実績のある「キャンパー鹿児島」さんに相談し、例えばワンちゃんが車内でおしっこをしても、楽に拭き取れ、匂い移りもしづらい素材を使ってもらうなど、色々と工夫をして作りました」

――お客さんからの評判はいかがですか?

「ありがたいことに「買って良かった」という言葉を、よくいただけます。それだけでなく「ここはこうして欲しい」、「こういった機能が欲しい」というご意見やご要望もいただけます。これらのお声を参考に、毎年、ワンダーシリーズのブラッシュアップを実施しています」

「この展示車は車載用のリチウムイオンバッテリーと家庭用エアコンを搭載しており、エンジンが停止していてもエアコンを動かせるようになっています。キャンピングカーの旅行において、ペットを同伴できない施設を利用したいときも出てくると思います。キャンピングカー内に安全に動かせるエアコンがあることで、ワンちゃんには快適な車内でお留守番をしてもらい、オーナー様は食事やお買いものを楽しむことができます」

――なるほど、愛犬家の望む行き届いた設備や機能の理由が、よく分かりました

色々な趣味、考えを持ったスタッフを揃えていることが、オートバックス最大の強みか!?

アーバンな大人のカスタムカーからラリーチャレンジに参戦できる競技車、そしてペットと一緒に旅行のできるキャンピングカー、新しいボディプロテクションを取り入れた車まで、様々な方向性を持った車両が展示されたオートバックスブース。ここまで色とりどりなバリエーションを揃えるブースは、ここだけじゃないでしょうか。

各車両の製作に関わったスタッフも、「好きだから」、あるいは「いいと思った」から製作したという熱意や自信が伝わり、話を聞いていて、とても頼もしく感じられました。きっとオートバックスの強みは、様々なノウハウや知識、そして趣味を持ったスタッフが在籍していることなのでしょう。

チューニングやドレスアップに限らず、「愛車にこんなカスタマイズがしたい」という希望があったら、まずは店舗や展示会で相談してみてはいかがでしょう。きっと「クルマ好き」が好きなスタッフが、叶える方法を探してくれるはず。

(取材/文:糸井賢一 写真:Ban Yutaka)

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