特定小型原付(電動キックボード等)の交通ルール・車両タイプなどを詳しく解説!

※この記事内で「特定小型原動機付自転車」は「特定小型原付」と表現しております。

2023年7月から新しく特定小型原付区分ができ、街中で電動キックボードなどを見かける機会が増えてきました。
しかし、特定小型原付についての知識はあまり広まっておらず、興味があってもなんだかよく分からないという人も多いと思います。
そこで今回は特定小型原付についてできるだけ詳しく紹介していきます。

1.特定小型原付について

特定小型原付について、ポイントを絞って説明します!

1-1.特定小型原付とは

ポイント①

特定小型原付は2023年7月1日に施行された新区分のモビリティで原動機付自転車の区分が変わりました。2023年6月30日までは原動機付自転車は1種類のみであり、基本免許が必要な区分でした。それが2023年7月1日以降は以下の3つに細分化されました。

①一般原付:法定速度30km/hの元々あった原付の区分
②特定小型原付:最高速度20km/hの新区分で免許不要
③特例特定小型原付:条件付きで歩道走行可能な最高速度6km/hの新区分で免許不要
※特例特定小型原付の詳しい内容は後ほど説明します。

なお、執筆時点で調べた限り特例特定小型原付のみの機能を持った車両は確認できず、特定小型原付と特例特定小型原付の機能を切り替え可能な車両のみでした。
6km/hはどのくらいの速度かというと、シニアカーの速度と同じとなっております。

ポイント②

最大の特徴としてあげられるのが、「16歳以上ならば免許不要」「ヘルメット装着が努力義務」であることです。免許不要ということで免許を持っていない若者や免許を返納した高齢者などの活用が見込まれます。ヘルメットは自転車同様「努力義務」となっておりますが、安全のため着用を推奨しております。

ポイント③

公道走行には「ナンバープレートの取得」「自賠責保険の加入」が必須となります。
また、ナンバープレートの登録後、自動車税が年間2,000円かかります。(2024年11月現在)

※出典:国土交通省ウェブサイト

1-2.特定小型原付の種類について

特定小型原付というと電動キックボードを思い浮かべる方が多いと思いますが、要件を満たし保安基準を満たしている車両は特定小型原付となります。
例えば、以下のような形のものもあります。

①キックボード型

特定小型原付というと最初に思いつく形であり、多く走っているタイプ。
キックボードにサドルを付けて座り乗りできるタイプもあります。

メリット:折り畳み時にコンパクトにできる、アクティビティ感があり楽しめる
デメリット:タイヤサイズが小さい、立ち乗りのため慣れが必要

②自転車型

サドルが付いているのが標準であり、座り乗りが基本になるタイプ。
キックボードに比べてタイヤサイズが大きく、重心が低いため安定した走行が可能です。

メリット:安定感があり乗りやすい、自転車感覚で乗れる、荷物を積める車両もある
デメリット:キックボード型に比べ大きい・重い・高額なものが多い

3輪・4輪型

3輪や4輪のため安定しており、転びにくいタイプです。まだ種類は少ないが、今後増えていくことが予想されます。

メリット:安定した走行が可能、転ぶ心配が少ない
デメリット:自転車に比べても高額なものが多い、傾けにくいため曲がるときにコツが必要

1-3.試乗の重要性

いろいろな形がありそれぞれにメリット・デメリットがあり、用途や運転ができるかどうかなど確かめることが重要となります。その為、購入前に試乗をすることをおすすめしております。

少なくとも、同じタイプの車両には触って・乗ってみることで購入後のミスマッチを防ぐことができます。

2.保安基準について

特定小型原付の保安基準について説明します。

2-1.特定小型原付の要件について

特定小型原付は原付のうち、以下の要件をすべて満たす車両となります。

・最高速度:20km/h
・定格出力:0.6kW以下
・長さ:1.9m以下
・幅:0.6m以下

出典:国土交通省ウェブサイト

例えば、特定小型原付の要件を満たした車両は以下のようなスペックとなっております。

YADEA KS6PRO
最高速度:20km/h、定格出力:0.5kW、長さ:1.192m、幅:0.52m

参照URL

このように最高速度だけでなく、サイズや出力に制限がございます。特に幅は各社ギリギリに作っていることが多いので注意が必要です。逆に長さはかなり余裕のある車両が多いです。

出力はいわゆる「原付一種」と同等までとなっておりますが、制御で20km/h以上出ないように作られております。ただし、限界まで出力を高めた車両は少なく、0.25kW~0.50kWの間としている車両が多い印象です。

また、最高速度は「構造上、平坦舗装路において20km/hを超える速度で進行することができない車両」であり、下り坂等ではもう少しスピードが出ます。一時的に20km/h以上の速度が出たとしてもそれをもって特定小型原付ではなくなることにはなりません。

2-2.道路運送車両の保安基準

道路運送車両の保安基準としては以下となります。

・前照灯や警報機等の保安部品が付いていること ※詳細はイラストで確認ください。
・走行中に最高速度の設定を変更することができないこと
・AT機構がとられていること
・最高速度表示灯が備えられていること

また、段差などでも安全に走行できることなど細かく規定されております。

※出典:警察庁ウェブサイト

上記が特定小型原付の要件・保安基準となっており、条件を満たさない車両はキックボードの形をしていようと特定小型原付とはなりません。また、現在様々なメーカーが出てきており、販売サイトには「特定小型原付」と書いてあるものの要件や保安基準を満たしていなかったという事例も出てきておりますので、車両を良く確認したうえでご購入してください。

また、改造により要件・保安基準を満たさなくなることも考えられますので、違法改造は絶対にNGです。

出典:国土交通省ウェブサイト

2-3.性能等確認制度について

前項でご説明の通り、様々な要件・保安基準がある特定小型原付区分ですが、一般の人がすべてを確認することは難しい状態です。そこで国土交通省が認定した第三者機関により特定小型原付の要件・保安基準を満たしているかどうかを確認する「性能等確認制度」があります。性能等確認制度を通過すると指定のシールを車体に張り付けることができ、要件・保安基準を満たしている証となります。

ご自身で調べる自信が無い場合、「性能等確認済み」の車両を購入することをおすすめいたします。

※性能等確認制度はメーカーからの申請により確認する内容となっており、申請していないメーカーもございます。あくまで特定小型原付の要件・保安基準への適合を確認するのみです。性能等確認制度を通過していない車両でも、要件・保安基準等が適合していれば「特定小型原付」として扱われます。

オートバックスグループでは、「性能等確認制度通過済み」の車両のみを取扱っておりますのでご安心ください。

※出典:警察庁ウェブサイト

3.交通ルールについて

交通ルールはすべて重要ですが、その中でも抜粋して紹介いたします。詳細は警察庁HPにてご確認ください。

なお、特定小型原付は点数制度の対象ではないため、交通違反による違反点数の加算はありません。ただし、罰金や懲役などの罰則の対象にはなりますので、交通ルールはしっかりと守って使用してください。

以下交通ルール・画像出典:警察庁ウェブサイトを一部加工して作成

3-1.基本ルール

ここでは走行前にしなければならないことや知っておかなければならないことを抜粋してご紹介します。

・自賠責保険への加入
特定小型原付は、区分上「原付」となりますので、自賠責保険への加入が必須です。

・ナンバープレートの取り付け
繰り返しですが、特定小型原付は「原付」ですのでナンバープレートの取得が必須です。ナンバープレートの登録をするので、自動車税がかかります。 ※2024年11月現在2,000円/年

・16歳未満の運転禁止
運転免許は不要ですが、16歳未満の運転は禁止されております。併せて、運転する恐れのある16歳未満への提供も禁止されており、提供者への罰則もあります。

・ヘルメット着用の努力義務
自転車同様、ヘルメットの着用は努力義務となっております。努力義務なので被らなくてもいいと思われがちですが、特定小型原付は思ったよりスピードが出ますので、安全のために装着することを強く推奨しております。

・飲酒運転の禁止
よく「お酒を飲んで運転していいのか」と聞かれますが、絶対ダメです。原付ですので、飲酒運転は重大な違反となります。また、飲酒運転をする恐れのある人に特定小型原付を貸すことも、運転する予定の人にお酒をすすめることも違反となります。
「飲酒運転、ダメ絶対」

・二人乗りの禁止
特定小型原付は二人乗りしてはいけません。違反であることはもちろんですが、車体のサイズが制限されているので、二人乗りはバランスを崩す危険性が高く危険です。また、メーカーが最大荷重を設定していますが、二人乗りをすると超えてしまうことも多く非常に危険です。

・ながら運転の禁止
「スマホを操作しながら」や「イヤホンで音楽を聴きながら」などは違反となります。
周囲の状況が把握しづらくなることはもちろん、キックボードなどではバランスを崩しやすく、事故につながりかねないので絶対にやめましょう。

・駐輪場について
お客様からよく聞かれる内容として、「どこに停めればいいのか」という質問があります。区分上「原付」なので駐輪場などは「原付」の区画に停める必要があります。
※施設ごとに異なる場合がございますので詳しくは各施設へお問い合わせください。

3-2.走行時のルール

ここでは実際に走行する際のルールを抜粋してご紹介します。

・車道走行の原則
基本は「車道の左端」を走行しなければなりません。ただし、自転車道は通行することができます。また、逆走も禁止です。
※例外的に歩道を走行できる場合は後述します。

・信号機に従う義務
信号機には従わなければなりません。車道走行時は車道の、歩道走行時は歩道の信号に従って走行しなければなりません。例外として、歩行者用信号機に「歩行者・自転車専用」の表示がある場合は車道を走っていても歩道の信号機に従わなければなりません。

・標識には従う
様々な標識がありますが、基本一般原付同様に従う必要があります。
ただし、一部通常の一般原付とは異なる部分がございます。

・道路標識の下に「軽車両を除く」「自転車を除く」とあった場合、特定小型原付も除かれる。

住宅街などで進入禁止(自転車を除く)など見たことのある人も多いと思いますが、そのような場所は特定小型原付ならば入れますので非常に便利です。
逆に、大きな橋や幹線道路などは「自転車進入禁止」の標識が出ていることが多いので、走行ルートを調べる際は注意が必要です。

・右左折方法
左折:一般原付とほぼ変わりません。

右折:一般原付の場合は「片側3車線以上の交差点で右折する場合、二段階右折をしなければならない」ですが、特定小型原付の場合、どのような交差点二段階右折をしなければなりません。

「二段階右折禁止」の道路標識があった場合でも、特定小型原付は二段階右折をしなければなりません。

・交通事故発生の場合
交通事故が発生したら、警察への報告や負傷者がいる場合の救護などを実施しなければなりません。

3-3.特例特定小型原付について

特定小型原付は歩道を走っていいのかという質問をよくいただきます。回答としては「特定小型原付のうち要件を満たした特例特定小型原付であれば走行可能」という回答になります。
その特例特定小型原付についてご紹介いたします。

特例特定小型原付は特定小型原付の中でも以下の要件を満たしていなければなりません。

・歩道走行の間、最高速度表示灯を点滅させている
・最高速度表示灯を点滅させている間、車体の構造上6km/hを超える速度を出すことができないこと
・側車を付けていないこと
・ブレーキが走行中容易に操作できる位置にあること
・鋭い突出部が無いこと

アクセル操作で6km/hを維持するのではなく、どんなにアクセルを操作しても6km/h以上出ない状態でないとダメです。また、最高速度表示灯が点滅していなければなりません。

特例特定小型原付だったとしても、どこの歩道でも走っていいわけではありません。
基本は「自転車が走っていい歩道」のみ走行可能です。歩道のどこを走ればいいかはイラストにてご確認ください。

歩道を走っているキックボードが合法か違法かは、最高速度表示灯と自転車走行可能な歩道かで判断ができます。ただし、6km/hとはシニアカーと同じ速度となり、非常に遅く感じると思います。また、低速のため車両によってはバランスを取ることが難しく注意が必要です。

2024年11月現在特例特定小型原付の機能のみを持った車両は探した限り有りませんでした。基本は「特定小型原付」と「特例特定小型原付」を切り替えられるタイプの車両、もしくは「特例特定小型原付の機能を持たない」タイプの車両のどちらかになります。

歩道を走行するかもしれない場合は必ず車両に特例特定小型原付のモードへの切り替えが付いているか確認してください。

オートバックスで購入するメリット

・ポイント① 研修を受講し、知識を持ったスタッフのいる店舗のみ販売
特殊なルールの多い特定小型原付だからこそ、お客様の疑問に答えられるスタッフがいる店舗でのみ販売。不明点・不安点はその場で解決ができる。

・ポイント② 実機を展示し、試乗ができる環境を提供
見て・触って・運転してみて、乗り比べることができる。
※保有の試乗機は店舗により異なりますので、WEBサイトよりご確認ください。

・ポイント③ 面倒くさい手続きを代行!納車後すぐに乗り出せる状態に!
面倒なナンバープレート取得・自賠責保険加入・車両組み立てを店舗で代行可能
※店舗・内容により有料での対応となります。
※対応可能エリアは店舗により異なります。詳しくは各店舗までお問い合わせください。

取扱店舗はHPよりご確認ください。

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