タイヤは安ければ安いほどいい?交換する前に知っておきたい「JATMA(ジャトマ)」と「ETRTO(エトルト)」の違い

タイヤを交換したいけれど出費はできるだけ抑えたい、そのように考えるドライバーの間で人気を集めているのがアジアンブランドのタイヤです。

日本に輸入されるタイヤ本数は年間約2,550万本にのぼりますが、そのうち約9割がアジアンブランドで占められています。すっかり身近な存在になったと言えますが、アジアンブランドのタイヤを選ぶときに注意すべきポイントがあります。

それは、低燃費タイヤを選ぶときの指標となるラベリング制度が適用されていないものがあったり、異なった規格に則っている場合に適正空気圧も異なることです。この記事ではこれらの違いを具体的に解説します。

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国産ブランドとアジアンブランドの特徴

日本には信頼できるたくさんのタイヤメーカーが存在している一方、アジアンブランドは日本だけでなくヨーロッパを中心として世界中に進出しています。現在では安心して利用できるアジアンブランドのタイヤが増えています。

ここでは国産ブランドとアジアンブランドを選ぶ際のそれぞれのメリットをおさらいします

国産ブランドのメリット

国産車の多くは国産ブランドのタイヤを装着して販売されています。重要なパーツとなるタイヤは自動車メーカーのお墨付きなしには純正採用されることはなく、つまり国産ブランドのタイヤは信頼性が高いことを意味します。

また国産ブランドや一部の輸入ブランドのタイヤはJATMA(ジャトマ)の規格に合わせて設計されており、ラベリング制度にも則っています。

タイヤを選ぶときにタイヤの性能をわかりやすく比較できるというメリットがあります。
アジアンブランドのメリット
アジアンブランドは信頼性と性能の両面で高く評価されるようになっており、クムホ(韓国)やCST(台湾)をはじめ一部のアジアンブランドについては自動車メーカーに純正採用されています。

このような信頼性の高まりを前提にプライスゾーンが低いというメリットがあり、同じタイヤサイズであればより手頃な価格で入手することができます。ただし国産ブランドに比べるとサイズバリエーションがやや少ないといったデメリットがあります。

またアジアンブランドの多くはヨーロッパなど世界に向けて販売しているため、欧州のETRTO(エトルト)規格を採用しています。実際に利用する上でこのことを気に留めておかなければならない面があります。

JATMA(ジャトマ)とは

JATMA(ジャトマ)とは一般社団法人である日本自動車タイヤ協会のことです。

そのJATMAによる規格は国内で使用するタイヤの標準化・単純化・統一化を進めるために策定されたものであり、その互換性を確保することでメーカーがタイヤを生産しやすく、我々ユーザーはタイヤを使用しやすいようになっています。

簡単に言えば、同じタイヤサイズ表記なのにメーカーによって寸法が異なったり、ホイールとの相性に良し悪しが生まれたりしないようにしています。

JATMA独自のラベリング制度とは?

JATMAが制定したもので、我々ドライバーにとって身近なもののひとつがラベリング制度です。ラベリング制度は2010年から運用されており、低燃費タイヤの性能をわかりやすく表示するものです。

一般的に転がり抵抗が少ないタイヤはウェットグリップ性能に劣るものとされてきました。本来なら低燃費タイヤにとって転がり抵抗を減らすことと、ウェットグリップ性能を向上させることは相反する要素です。この難しい課題を技術的に克服することを促進させてきた制度でもあります。

その表示はグレーディングシステム(等級制度)によって転がり抵抗性能を5つの等級に、ウェットグリップ性能を4つの等級に格付けしています。ラベリング制度の存在によってメーカーが違っても同じ基準で性能を比較することができます。
●ラベリング制度における低燃費タイヤ
あらかじめ定められた転がり抵抗係数以下でありながら安全性能の面でも十分に性能が確保されていると認められたものに、「低燃費タイヤ」の称号が与えられます。
●転がり抵抗性能の等級
タイヤは転がり抵抗が少ないと燃費向上に貢献します。転がり抵抗性能は転がり抵抗係数に応じてAAA、AA、A、B、Cの5つにランク付けされます。AAAが最上位です。
●ウェットグリップ性能の等級
低燃費タイヤでありながらも雨天走行時の安全性を確保していることをa、b、c、dの4つ等級で格付けしています。aが最も優秀です。

ETRTO(エトルト)とは

ETRTO(エトルト)とは、欧州のタイヤメーカーが中心となった「欧州タイヤおよびリム技術機構」のことで、同機構が定めたのがETRTO規格です。

この規格には「スタンダードタイヤ」と「レインフォースドタイヤ(エクストラロードタイヤ)」という2つが存在します。スタンダードタイヤよりも負荷能力を高められているのがレインフォースドタイヤ(エクストラロードタイヤ)です。

JATMAとETRTOの違いで注意すべきこと

これまで国産ブランドのタイヤを履いていたけれど、次はアジアンブランドのタイヤを使ってみようと考えるドライバーがいらっしゃるかもしれません。

そんなときに注意していただきたいのが、国産ブランド中心のJATMA規格とアジアンブランドの多くが採用するETRTO規格ではロードインデックスの取り決めが異なっていることです。

その違いによって、正しく空気圧を調整しているつもりが空気圧不足だったということになりかねないからです。

ロードインデックスの違いによって適正な空気圧が異なる
JATMA規格とETRTO規格のレインフォースドタイヤでは、同一のタイヤサイズであってもロードインデックスが異なります。

ロードインデックスとは1本のタイヤでどれだけの荷重に耐えられるように設計されているかを表すものです。ETRTO規格のレインフォースドタイヤはより高い空気圧で高い負荷に耐える設計になっているので、JATMA規格よりも高い空気圧設定が求められます。

つまり国産ブランド(JATMA規格)から同一サイズ表記のアジアンブランド(ETRTO規格のレインフォースドタイヤ)に履き替えた場合、お乗りの車に指定されている空気圧よりも高く調整する必要が生まれます。
215/45R17サイズの場合
JATMA規格において、215/45R17サイズのロードインデックスは「87」です。240kPaの空気圧で545kgの負荷能力を備えます。このロードインデックスは値ではなく記号として見ます。

ETRTO規格では、215/45R17サイズのタイヤに545kgの負荷能力を確保するにはロードインデックスが「91」となり、250kPaの空気圧が必要になります。

このような違いから、タイヤを履き替えて以降はそれまでは適正空気圧であった240kPaのままでは空気圧が不足していることになります。交換して以降は10kPa≒1kg/cm2なので、タイヤの空気を2.5kg/cm2にして走行しなければなりません。

まとめ

アジアンブランドのタイヤはコストパフォーマンスで人気を伸ばしています。多くのドライバーが選択肢のひとつに加えており、オートバックスでも豊富にラインナップしております。

国産ブランドからアジアンブランドに履き替えた場合は、タイヤの適正空気圧の値が異なることを念頭に日々のメンテナンスを行うようにしましょう。
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