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雨の日の事故は、晴れた日の5倍!
雨の日でも安心・安全に走るためのタイヤ選び

雨の日の事故は、晴れた日の5倍にもなるというデータがあります。事故の原因はスピードの出し過ぎなどさまざまな要因が重なって起きてしまうものですが、濡れた路面におけるタイヤの性能は無視できない要因です。とりわけ摩耗したタイヤは雨で滑りやすく、制動距離も伸びる傾向にあります。 ここでは、雨対策が必要な背景と事故防止に有効である具体的な対策をご紹介します。雨の日のリスクを克服してスマートなカーライフを楽しみましょう。

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雨対策が必要な背景と理由

水しぶきを上げて走る車

日本は雨が多い

日本は雨の多い国です。年間の雨天日数の全国平均は120日(2020年)で3日に1日近くが雨の日ということになります。都道府県別にみると、降水日数ランキング1位になることの多い石川県は、1年間のうち194日(2020年)雨が降ったという記録もあります。2日に1日は雨だったというのですから傘が手放せない感覚です。
※出典:総務省統計局ホームページ
雨の日の事故は晴れの日の5倍にもなる
東京都・首都高速道路の統計によりますと、コロナ禍の影響で交通量が少なくなっていることもあり首都高上の交通事故は減少しているそうです。 一方、雨の日の事故件数は横ばいとなっています。雨天以外は1時間あたりの事故発生件数が0.67件であるのに対して雨天では1時間あたり3.33件となっています。雨が降っているだけで時間あたりの事故発生件数は5倍にもなります。
※出典:首都高ドライバーズサイト
走行中の車

雨の事故で多いのはタイヤのスリップ

雨の日に起きる事故の主な原因はタイヤのスリップです。滑りやすくなった路面で曲がりきれずにガードレールなどに接触してしまうケースが増えます。首都高の統計では、事故形態を追突・車両接触・施設接触などに分類しています。雨天時以外は追突が事故形態のトップですが、雨天では施設接触、つまり道路脇の防音壁などといった施設への接触がトップになります。雨の日はウェット路面で滑り、コントロールを失った結果、壁などに衝突・接触することが増えています。

雨の日に備えたタイヤのメンテナンス

山積みになったタイヤ
雨の日は濡れた路面の上でタイヤがスリップしてしまうことが事故につながっています。これを防ぐには、コーナーや交差点に限らず十分に減速して走ることが必須です。 さらに、あらかじめ雨に備えてタイヤのメンテナンスを行うことでよりドライブが安全になります。
摩耗したタイヤを新しくする
雨への備えとして効果的なのはすり減ったタイヤを新しく交換することです。摩耗したタイヤは雨に濡れた路面で滑りやすくなります。ドライバーの方が安全運転を心がけていても突然歩行者や自転車などが飛び出してくることもあります。急ブレーキ時の制動距離や回避行動のためにステアリングを切った時に、タイヤの性能が良いことが事故を防ぎ、また被害を減少することにもつながります。

JAF(日本自動車連盟)では、新品のタイヤとすり減ったタイヤの性能をドライ路面とウェット路面でテストしたデータがあります。テストで比較されたタイヤは同一銘柄で、新品(溝の深さは平均7.6mm)、5分山(溝の深さは平均4.7mm)、そして最も摩耗した2分山(溝の深さは平均3.1mm)の3種類です。
※出典:JAF
ドライ路面でのデータを見ると、タイヤが摩耗して残り溝が少なくなっていても、トレッドのゴムが硬化していなければ新品タイヤもすり減ったタイヤも制動距離に著しい違いはありませんでした。むしろすり減ったタイヤは、接地面積が広がり、ゴムが薄くなり剛性が高まり、新品タイヤに比べて制動距離が短くなっています。
ドライ路面直線ブレーキテスト:時速60kmから停止までの制動距離(3回計測の平均値)
新品タイヤ:17.0m
5分山タイヤ:16.3m
2分山タイヤ:15.8m
ドライ路面直線ブレーキテスト:時速100kmから停止までの制動距離(3回計測の平均値)
新品タイヤ:47.5m
5分山タイヤ:44.1m
2分山タイヤ:42.6m

ところが、ウェット路面になると、5分山タイヤも2分山タイヤも、新品に比べると制動距離が伸びてしまいます。2分山タイヤに至っては、ドライ路面に比べると約1.5倍にもなります。
ウェット路面直線ブレーキテスト:時速60kmから停止までの制動距離(3回計測の平均値)
新品タイヤ:16.7m
5分山タイヤ:16.7m
2分山タイヤ:18.0m
ウェット路面直線ブレーキテスト:時速100kmから停止までの制動距離(3回計測の平均値)
新品タイヤ:47.6m
5分山タイヤ:50.8m
2分山タイヤ:70.5m

このテストの結果から、摩耗したタイヤはウェット路面で制動距離が伸びること、そして摩耗したタイヤの性能低下はドライ路面ではほぼ気づくことがなくウェット路面になって初めて気づくことが分かります。
タイヤ交換作業

スタッドレスタイヤをサマータイヤに戻す

シーズンを終えたスタッドレスタイヤを速やかにサマータイヤに戻すことも雨の対策として重要です。 雪に強いことから雨の日でも性能を発揮してくれそうなスタッドレスタイヤですが、実はウェット路面がウィークポイントになっています。JAFは上記と同じ条件で、5分山(溝の深さは平均4.5mm)まですり減ったスタッドレスタイヤの制動距離をテストしています。結果はドライ路面で時速60kmから停止するのに18.8m、時速100kmから停止するのに51.1mでした。一方、ウェット路面では時速60kmから停止するのに20.3m、時速100kmから停止するのに72.2mもかかっています。これは2分山まで減ったサマータイヤに劣る結果です。

スタッドレスタイヤは5分山になるとプラットホームが露出して雪道では使えなくなります。それ以降はサマータイヤとして使えますが、ウェット路面における性能は著しく低いことを知っておく必要があります。
ウェット性能に優れたタイヤを選ぶ
タイヤのラベリング

ラベリングでウェット性能を判別する

今回特に注目したいのは下段の傘マーク右の「a」「b」「c」「d」です。 これはウェット路面でのタイヤのグリップ力(制動時など)を4等級に格付けしたもので、最上位は「a」となります。とりわけ雨の日の安全性を重視するという方には「c」以上にランク付けされたタイヤをおすすめします。

ちなみに上段のガスポンプマーク右の「AAA」「AA」「A」「B」「C」は転がり抵抗を示します。この制度において低燃費タイヤとして認められるのは転がり性能が「AAA」~「A」であり、なおかつウェットグリップ性能が「a」から「d」のいずれかに等級づけられているものとなっています。

タイヤ交換以外に実施しておきたいメンテナンス

雨の日の安全性をより高くするには、タイヤの交換や選択に加えて次のようなメンテナンスを実施するようにしましょう。
ワイパー取り付け作業

ワイパーを交換する

雨の日の安全性を高めるにはクリアな視界の確保が必須です。そして、クリアな視界の確保に欠かせないのがワイパーのメンテナンスです。 ガラスに接触するワイパーゴムは消耗品であり、紫外線を浴びて劣化すると硬化します。硬化したワイパーゴムは密着度が低くなり適切にガラスの水滴を拭き取ることができなくなってしまいますので、ワイパーは劣化に気付く前に定期的に交換しましょう。ワイパーブレードは1年ごと、ワイパーゴムは半年ごとの交換を推奨しています。

> ワイパーの役割と種類、交換時期の目安や交換方法はこちら

フロントガラスの油膜取りと内側清掃
ワイパーゴムを交換したのにフロントガラス越しの視界がギラギラしていたりワイパーゴムがビビリ音を発生したりするようなら、フロントウィンドウが汚れているケースがあります。なかでも古いワックスや路面の油分などを巻き上げたものがガラスに付着している場合、一般的なウォッシャー液では除去することができません。油膜取り専用に開発されたクリーナーなどを利用して取り除くようにしましょう。

まとめ

接客シーン
雨のドライブが少なくない日本においては、ウェット路面に強いタイヤを装着することが安全かつ安心してドライブするための鍵となります。 摩耗したタイヤはドライ路面ではブレーキが利く一方で、ウェット路面では制動距離が大きく伸びてしまうことがわかっています。また高速走行においては水たまりの上を走ることにより起こるハイドロプレーニング現象(ブレーキもハンドルも効かなくなる現象)が起こりやすくなり大変危険です。
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