タイヤサイズ変更の許容範囲とは?安全なカスタムのポイント

タイヤ交換の際に、タイヤサイズを変更するカスタムを考えている人も多いのではないでしょうか。

タイヤサイズの変更は許容範囲を超えてしまうと、車検不合格になったり、歩行者の巻き込み事故を起こしたりといった不測の事態を招きかねません。タイヤサイズを安全にカスタムするためにも、しっかりとポイントを押さえておきたいところです。

この記事では、タイヤサイズを変更する際の許容範囲とタイヤサイズの見方のほか、タイヤサイズ変更における安全なカスタムのポイントについて解説します。

カンタン予約・お店で待たない!

タイヤ交換をWEBで予約

タイヤサイズ変更時にチェックすべき箇所と許容範囲

タイヤサイズ変更時には、いくつか許容範囲についてチェックすべきポイントがあります。ここでは、タイヤサイズ変更時にチェックすべき箇所と、それぞれの許容範囲について解説します。

フェンダーからのはみ出し・フェンダーとの干渉

タイヤサイズ変更時には、タイヤを覆うフェンダーからのはみ出しについてチェックしましょう。車体のフェンダーからタイヤやホイールが大きくはみ出している場合、車検に通らないだけでなく、その状態で公道を走行すると整備不良として交通違反に問われる可能性もあります。
2017年6月に車検の基準となる保安基準が一部改正されましたが、フェンダーからのはみ出しが許されるのは、下記の範囲をすべて満たす場合となっています。

<フェンダーからのはみ出しが許容される範囲>
・タイヤを真上から見て前に30度、後ろに50度の範囲
・上記範囲内で最外側部のタイヤのみのはみ出しが10mm未満

注意したいのは、フェンダーからのはみ出しが許されるは9人乗り以下の乗用車に限られており、なおかつそのタイヤのみであることです。業務用の車のほか、ホイールやナット部分がはみ出している場合は、認められていません。

タイヤ外径の誤差

タイヤのサイズ変更によって、タイヤ外径が変わる場合にも注意が必要です。なぜなら、タイヤの外径が一定の範囲以上変わると、それに伴ってタイヤが一回転して進む距離も変わるからです。これによって、実際の車の速度とスピードメーターの表示値にズレ(誤差)が生じ、誤差の大きさによっては車検不合格になる可能性があります。

タイヤサイズの変更時には、できる限り外径を純正サイズに合わせるのが安全ですが、誤差が生じる場合は、純正サイズに対して-3%から+2%までの範囲内で収めなければなりません。

具体例として、純正サイズが205/55R16の場合で考えてみましょう。タイヤ外径は「(タイヤ幅×扁平率)×2+リム径(ホイールの直径)」で計算します。16インチのリム径は406.4mmのため、計算方法は「(205×0.55)×2+406.4mm」となり、外径は632mmです。
これを215/45R17のタイヤに変更すると、外径は625mmとなり、誤差は-0.2%なので許容範囲ということになります。

スピードメーターの誤差

タイヤの外径を変更する場合、スピードメーターの表示値と実際の速度に差が生じないようにチェックしましょう。スピードメーターの誤差が許容範囲を超えていると、車検に通らない可能性があるため注意する必要があります。

2007年1月1日以降に製造された車(軽自動車・二輪車などを除く)の場合、スピードメーターの表示値と実際の速度との誤差を示す計算式は、下記のとおりです。

<スピードメーターの表示値と実際の速度との差を示す計算式>
10(V1-6)/11≦V2≦(100/94)V1
※スピードメーターの表示値をV1(km/h)、実際の速度をV2(km/h)とした場合
※2006年12月31日までに製造された車は「10(V1-6)/11≦V2≦(100/90)V1」で計算

通常、スピードメーターの表示値と実際の速度には一定の誤差があります。車検を通過するには、車を実際に動かして「40km/h」と表示されたとき、実際の速度が30.9km/h~42.5km/hの範囲内に収まっていれば問題ないとされています。

仮に205/55R16の純正タイヤを215/45R17のタイヤに変更した場合、スピードメーターとの誤差は+1%程度となり、39km/hが実際の速度となります。

ロードインデックス

インチアップなどによるタイヤサイズの変更時には、タイヤ1本あたりが支えられる負荷能力を示す「ロードインデックス(LI)」にも注意しましょう。タイヤのロードインデックスは純正タイヤと同じか、または純正タイヤ以上のものを選ぶ必要があります。

タイヤに刻まれているロードインデックスの指数はで目安であり、タイヤの負荷能力については下記の表のとおりです。
■ロードインデックスの負荷能力早見表

タイヤのロードインデックスが不足すると、車検に通らない可能性があります。また、タイヤが車の重さを支えきれなくなってタイヤの寿命が短くなったり、タイヤバーストの原因になったりするため、変更時には必ず確認してください。

補足:タイヤサイズの見方

タイヤサイズは、タイヤの側面部(サイドウォール)に刻まれた「175/65R14 82S」といった表示で確認することができます。具体的には、下記のとおりです。

■タイヤサイズの表示の見方(175/65R14 82Sの場合)

数値例 名称 内容
175 タイヤ幅 タイヤの断面幅。単位はミリメートル
65 偏平率 タイヤの断面における幅と高さの比率を表す数値
R タイヤ構造 「R」はラジアル構造の意味
14 リム径 ホイールの直径。単位はインチ
82 ロードインデックス タイヤ1本あたりが支えられる負荷能力
S 速度記号 タイヤが走行可能な速度を示す。Sは最高速度180km/hを意味する

タイヤサイズ変更の代表例「インチアップ」とは?

タイヤサイズを変更する際には、前述のとおり、車検に通らなくなったりトラブルの原因になったりするおそれがあるため、タイヤ外径を変えずに変更するのが基本です。

この考え方に基づいてよく行われるカスタマイズの一つが「インチアップ」です。これは、タイヤの外径はそのままに、リム径を大きくし、その分タイヤを薄くすることで偏平率を下げる手法です。

インチアップを行うことで、車の運動性能が高まり、ハンドリングが俊敏になるほか、タイヤの見た目もシャープになってスタイリッシュな印象を与えることができます。

ただし、タイヤが薄くなることにより、乗り心地が悪化したり、走行中の騒音が増加したりするなどのデメリットもあるため、十分に注意して行いましょう。

タイヤサイズ変更によるカスタム時のポイント

ここでは、タイヤサイズを変更して安全にカスタムする際に注意したいポイントについて解説します。

フェンダーより外側にはみ出すと違反になる可能性がある

車のフェンダーよりタイヤやホイールがはみ出し、前述の許容範囲を超えている場合には、車検に通らないだけでなく「不正改造」として道路運送車両法違反となります。不正改造の車の実施者は、6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金となる可能性があります。さらに、不正改造車の使用者には整備命令が発令され、それに従わない場合には車両使用停止命令や50万円以下の罰金の対象となるのです。

はみ出したタイヤやホイールは、歩行者や自転車などを巻き込む事故の原因となる場合もあるので、カスタムの際には注意が必要です。

タイヤ外径を変えると車体に干渉する可能性がある

タイヤサイズ変更時にタイヤ外径を変えた場合、フェンダーや足回りといった車体にタイヤを干渉させないようにしなければなりません。タイヤが車体に干渉した車は車検不合格になるだけでなく、タイヤの損傷などを引き起こし、タイヤバーストなどのトラブルの原因になるからです。

また、タイヤ外径を純正サイズより大きくすると、フェンダー内側のタイヤハウスとの空間(クリアランス)が狭くなります。これにより、雪道などを走行する際にタイヤチェーンを装着することができなくなるおそれもあるため、注意が必要です。

ロードインデックスは純正タイヤと同等以上にする

タイヤには、ロードインデックスという負荷能力がそれぞれのサイズごとに設定されています。インチアップなどタイヤサイズを変更する場合でも、ロードインデックスは基本的に純正タイヤの指数(負荷能力)と同等以上にしてください。

空気圧が変わる場合もある

タイヤサイズを変更すると、適正空気圧も変わる場合があります。これは、主に「エクストラロード(XL)・レインフォースド(RF)」規格というタイヤに変更した場合です。これらのタイヤはスタンダード(JATMA)規格に比べて、同サイズでもロードインテックスが高く、それに伴って適正空気圧も高めに設定されているからです。

タイヤサイズ変更の際にはそれぞれの規格の空気圧負荷能力対応表を確認し、変更後のタイヤの適正空気圧に設定する必要があります。

なお、変更したタイヤのロードインデックスが同じ場合の空気圧は、純正タイヤと同じ適正空気圧で問題ありません。

タイヤサイズの変更はオートバックスで

インチアップなどのカスタムを行う際には、タイヤサイズの外径をできる限り純正サイズに近づけることをおすすめします。タイヤ外径を変えると、フェンダーへの干渉や車検不合格などの原因となりかねないからです。

ただし、インチアップといったタイヤサイズ変更を伴うカスタムは、専門知識も必要で、初心者にはわからないことも少なくありません。信頼できるカー用品店などに相談し、自分の車やライフスタイルに合った安全なタイヤサイズ変更を行いましょう。

オートバックスでは、タイヤ点検・交換を対応可能です。さまざまなサマータイヤ・スタッドレスタイヤを豊富に取り揃えており、作業ピットも併設しているため、タイヤの購入費用を抑え、タイヤ交換にかかる時間の短縮も可能となっています。

また、インチアップ時にどのタイヤを選べばいいのかわからないといった場合でも、専門知識を持ったスタッフに相談できるので、買い間違えるリスクが格段に低くなります。コストパフォーマンスが高くて安全・安心なタイヤを選ぶなら、ぜひオートバックスにご相談ください。


オートバックスのタイヤ交換(費用・基礎知識・予約)

ページトップへ