タイヤローテーションの適切な実施頻度は?必要性と目安、方法を紹介

タイヤローテーションとは、車の前後・左右のタイヤの位置を、定期的に入れ替える(ローテーションする)作業のことです。このタイヤローテーションについて、なぜ行う必要があるのか、必要だとするならどのくらいの頻度で行うべきなのか、気になっている人も多いのではないでしょうか。

この記事では、タイヤローテーションの必要な理由と適切な実施頻度のほか、実際に行う際の方法と注意点について解説します。

カンタン予約・お店で待たない!

タイヤ交換をWEBで予約

タイヤローテーションが必要な理由

タイヤローテーションは、そもそもなぜ必要なのでしょうか。ここでは、タイヤローテーションが必要な理由について解説します。

タイヤの安全性を確保する

タイヤローテーションが必要な理由として、タイヤの安全性を確保することが挙げられます。これは、装着位置によってタイヤの摩耗度合いが異なるからです。

タイヤの摩耗度合いは、四輪で均一ではありません。特定のタイヤが局地的に摩耗し、接地面の一部が異常に摩耗する「偏摩耗」が生じる可能性があります。

偏摩耗は、走行時の振動や騒音につながったり、排水性能の低下によるハイドロプレーニング現象を引き起こしたりするおそれがあり、大変危険です。タイヤローテーションを適切な頻度で行えば、4つのタイヤの摩耗を均一にして偏摩耗の発生を防ぎ、安全性を確保することができるのです。

タイヤの交換時期を延ばす

タイヤの交換時期を延ばすことも、タイヤローテーションが必要とされる理由です。前述のとおり、タイヤのローテーションを行わないと、タイヤの摩耗度合いに差が生じ、特定のタイヤが早く交換時期を迎えてしまう可能性があります。

タイヤローテーションによって四輪の摩耗を均一にすれば、結果的にすべてのタイヤが長持ちし、交換時期自体を延ばすことにつながります

タイヤローテーションの実施頻度の目安

タイヤローテーションの実施頻度については、走行距離や履き替えなどのタイミングを参考にしましょう。ここでは、タイヤローテーションの実施目安について解説します。

5,000km走行時

タイヤローテーションは、5,000kmの走行距離がひとつの目安です。5,000kmごとにタイヤローテーションを実施することで、4輪のタイヤ摩耗を均一にすることができます。

5,000kmごとの区間走行距離を計測するには、メーターパネル内にある「トリップメーター」を使うと便利です。タイヤローテーションを行った際には、トリップメーターをその都度リセットしましょう。

タイヤの履き替え時

タイヤの履き替え時も、タイヤローテーションの実施目安といえます。具体的には、サマータイヤからスタッドレスタイヤへの交換時や、その逆の作業時のタイミングが挙げられます。履き替えのタイミングで、同時にタイヤローテーションの作業も行ってもらうよう依頼しましょう。

なお、スタッドレスタイヤへの履き替えは雪が降る1ヶ月前を、サマータイヤへの履き替えは雪や氷結が落ち着くタイミングを目安としてください。

スタッドレスタイヤの交換時期については、下記の記事もご覧ください。
関連記事

スタッドレスタイヤの寿命は何年?交換時期の見分け方と長持ちのコツ

スタッドレスタイヤの寿命は何年?交換時期の見分け方と長持ちのコツ

スタッドレスタイヤの寿命は何年?交換時期の見分け方と長持ちのコツ

12ヶ月点検時・車検時

タイヤローテーションの実施は、12ヶ月点検や車検(自家用乗用車の場合は初回以降は2年ごと)のタイミングも適しています。これは、これらの整備の際にタイヤを取り外し、残り溝の深さや状態をチェックするからです。

この機会にタイヤローテーションを行えば、タイヤ交換による工賃がかからないというメリットがあります。

タイヤローテーションの方法

タイヤローテーションの方法
タイヤローテーションを実際に行う際は、車のエンジンなど動力源のパワーを受けて動く「駆動輪」の位置によって、やり方が異なるので注意が必要です。ここでは、タイヤローテーションの方法について解説します。

前輪駆動車(FF車)の場合

前輪駆動車(フロントエンジン・フロントドライブ車、以下FF車)のタイヤローテーションの方法は、前輪のタイヤをそのまま後輪のタイヤとして取り付けます。一方、後輪のタイヤは斜め前へスライドさせて取り付けましょう。

■FF車のタイヤローテーション

タイヤローテーション前の位置   タイヤローテーション後の位置
右前輪 右後輪
左前輪 左後輪
右後輪 左前輪
左後輪 右前輪

後輪駆動車(FR車)・四輪駆動車(4WD車)の場合

後輪駆動車(フロントエンジン・リアドライブ車、以下FR車)のタイヤローテーションについては、駆動輪である後輪のタイヤを前輪にスライドして取り付けます。取り外した前輪のタイヤは、交差させて斜め後ろ側の後輪に取り付けてください。これは四輪駆動車(4WD車)でも同じ方法です。

■FR車・4WD車のタイヤローテーション

タイヤローテーション前の位置   タイヤローテーション後の位置
右前輪 左後輪
左前輪 右後輪
左後輪 左前輪
右後輪 右前輪

回転方向指定マークがある方向性パターンタイヤの場合

「方向性パターンタイヤ(ワンウェイパターンタイヤ)」を装着している場合、タイヤローテーションの方法が通常と異なります。方向性パターンタイヤとは、サイドウォール部分に「ROTATION」や「→」など回転方向指定マークが刻印されたタイヤです。

このようなタイヤでは装着位置を交差させる必要がなく、前後タイヤの位置を入れ替えるだけでタイヤローテーションは完了します。

■方向性パターンタイヤのタイヤローテーション

タイヤローテーション前の位置   タイヤローテーション後の位置
右前輪 右後輪
左前輪 左後輪
右後輪 右前輪
左後輪 左前輪

ちなみに、方向性パターンタイヤはトレッドパターンの溝や切り込み(サイプ)に特徴があり、雨天時の高い排水性が特徴です。これを左右反対に取り付けてしまうと、本来の性能を発揮できないので注意してください。

タイヤローテーションに関する注意点

タイヤローテーションの際には、いくつか気をつけるべきポイントがあります。ここでは、タイヤローテーションに関する注意点について解説します。

FF車の前輪は摩耗しやすい

タイヤローテーションに関する注意点として、FF車の前輪は摩耗しやすいことが挙げられます。そもそも、駆動輪はFF車・FR車を問わず、摩耗しやすいものです。これは、駆動輪がエンジンなどのパワーを担うことに起因します。

ただ、FF車は、ハンドル操作に従って車の向きを変える「操舵輪」を、駆動輪と同じ前輪で担っています。そのため、FF車の前輪は特に負担が大きく、摩耗しやすくなるのです。

FF車の前輪の寿命は、後輪の3分の1~2分の1といわれています。そのぶん、タイヤローテーションの頻度が多めになるので、注意が必要です。

前後のタイヤサイズが異なる場合はローテーション不可

タイヤローテーションの注意点として、前後のタイヤサイズが異なる場合は、タイヤローテーションができないことも挙げられるでしょう。

これには、高いエンジンパワーを持つFR車で、前後のタイヤサイズが異なるスポーツカーなどが多く該当します。このような車は設計上、前後のタイヤの入れ替えができません。

通常のタイヤローテーションを行うとトラブルが生じる可能性があるので、注意してください。

タイヤサイズの変更については、下記の記事もご覧ください。
関連記事

タイヤサイズ変更の許容範囲とは?安全なカスタムのポイント

タイヤサイズ変更の許容範囲とは?安全なカスタムのポイント

タイヤサイズ変更の許容範囲とは?安全なカスタムのポイント

タイヤローテーション後はホイールナットの増し締めが必要

タイヤローテーションに関する注意点として、作業後のホイールナットの増し締めが必要となる点にも気をつけたいところです。

タイヤローテーション後、50~100km程度走行したら、ホイールナットの増し締めをします。これは「初期なじみ」による絞付け力の低下により、必要となるものです。

なお、ホイールナットの増し締めは、タイヤローテーションに限らず、タイヤ交換などタイヤに関する作業を行った場合に必要な作業です。50~100kmを走ったあとは、カー用品店などで、規定値通りのトルクに締め直してもらいましょう。

タイヤローテーション作業時のチェックポイント

タイヤローテーション作業を行うときには、同時に4つのポイントもチェックしましょう。具体的には、下記のチェック項目を確認してください。

<タイヤローテーション作業時のチェックポイント>
・タイヤの残り溝の深さ
・タイヤの偏摩耗
・タイヤの傷やひび
・タイヤの空気圧

溝の深さが1.6mmを下回ると、制動距離が延びるなどのリスクが生じるほか、車検に通らなくなるので注意が必要です。なお、オートバックスではタイヤの残り溝が2mm以下の場合には交換をおすすめしています。

タイヤの残り溝については、下記の記事もご覧ください。
関連記事

タイヤの残り溝が少ないと危険!リスクと交換時期の目安を解説

タイヤの残り溝が少ないと危険!リスクと交換時期の目安を解説

タイヤの残り溝が少ないと危険!リスクと交換時期の目安を解説

タイヤのメンテナンスはオートバックスで

タイヤローテーションは、安全性の確保や交換時期を延ばすために必要な作業であり、5,000kmを走行したあとや車検のタイミングで行うのがおすすめです。

タイヤローテーションの作業は自分で行うことも不可能ではありませんが、タイヤの状態などを見極めるのは難しいもの。信頼できるカー用品店などで、作業を依頼することをおすすめします。

オートバックスでは、タイヤローテーションの作業を受け付けています。タイヤ交換が必要となったものの、どのタイヤを選べばいいのかわからないといった場合でも、専門知識を持ったプロのスタッフに相談できるので、買い間違えるリスクが格段に低くなります。作業ピットも併設しているため、タイヤ交換にかかる時間の短縮も可能です。

コストパフォーマンスが高く安全・安心なタイヤを選ぶなら、ぜひオートバックスにご相談ください。

オートバックスのタイヤ交換(費用・交換時期の目安・予約)

ページトップへ