タイヤチェーンの取り付け方は?取り付け時・装着中の注意点も解説

タイヤチェーンは積雪路や凍結路においてグリップ力を高めるメリットがあります。しかし、脱着の手間をデメリットに感じ、敬遠する人も多いのではないでしょうか。

帰省時やスノーレジャーなどにおける万が一の大雪に備え、タイヤチェーンの取り付け方や取り外し方について、注意点を押さえながら覚えておきたいところです。

この記事では、タイヤチェーンの取り付け方と取り付け時・装着中の注意点のほか、交換時期と装着が必要となる場所について解説します。

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タイヤチェーンの取り付け方・取り外し方

タイヤチェーンは大きく分けて「金属製」と「非金属製」「布製」の3種類があり、それぞれの取り付け方・取り外し方においていくつかのポイントがあります。

ここでは、タイヤチェーンの取り付け方・取り外し方について解説します。

金属製タイヤチェーンの取り付け方・取り外し方

耐久性が高く、高いグリップ力を発揮する金属製タイヤチェーンの取り付けは、下記の手順で行います。

<金属製タイヤチェーンの取り付け方>
1. タイヤチェーンを広げて裏表をチェックする
2. タイヤチェーンを駆動輪のタイヤに被せる
3. タイヤの裏側で、タイヤチェーン内側の取り付けフックを留める
4. タイヤチェーンが均一に掛かるよう整えながら、タイヤチェーン外側の取り付けフックを留める
5. ゴムのチェーンバンドを掛けるためのクリップを取り付ける
6. タイヤチェーン金具の連結部分を起点にして、チェーンバンドを均等に掛ける

金属製タイヤチェーンは、取り付けフックが備わっているのが外側です。広げる際には、ねじれを直しておきましょう。金属製タイヤチェーンの取り外し方は、下記のとおりとなっています。

<金属製タイヤチェーンの取り外し方>
1. チェーンバンドを下側のクリップから対角線上に外していく
2. クリップを取り外す
3. タイヤチェーン外側の取り付けフックを外す
4. タイヤチェーン全体を左右に動かして緩める
5. タイヤ裏側にあるタイヤチェーン内側の取り付けフックを外す
6. タイヤチェーンがねじれないように手前に引き出す
7. 車を動かしてタイヤチェーンを取り出す

かつての金属製タイヤチェーンは、脱着にジャッキアップが必要でしたが、今は改良が進み、比較的容易に脱着できるようになっています。

非金属製タイヤチェーンの取り付け方・取り外し方

ゴムやウレタンなどの非金属製タイヤチェーンは軽量のため、金属製タイヤチェーンよりも脱着の負担が軽いのが特徴です。走行中の騒音や振動が比較的少ないのもメリットといえるでしょう。取り付け方は、下記のとおりとなっています。

<非金属製タイヤチェーンの取り付け方>
1.スパイク面が上向きになるようにしながら、タイヤチェーンを広げる
2.ワイヤーを手前にして、タイヤチェーンを駆動輪のタイヤ裏側へ回し込む
3.タイヤチェーンの両端を持ち、タイヤに沿わせながら持ち上げる
4.タイヤ裏側上部の連結部分(ジョイント)をつなぐ
5.タイヤチェーンを引きながら、タイヤ表側下部の取り付けフックを留める
6.タイヤ表側上部の取り付けフックを留める
7.付属の工具でロック部分を締め付けて固定する

一方で、非金属製タイヤチェーンの取り外し方は、次の手順で行います。

<非金属製タイヤチェーンの取り外し方>
1.付属の工具でロック部分を解除する
2.タイヤ表側上部・下部の取り付けフックを外す
3.タイヤチェーンをタイヤ裏側に落とし込む
4.タイヤ裏側上部のジョイントを外す
5.タイヤチェーンを展開しながら取り外す
6.車を動かしてタイヤチェーンを取り出す

非金属製タイヤチェーンの取り付け方・取り外し方については、製品によって異なります。取扱説明書をよく参照して、作業に取り掛かるようにしましょう。

布製タイヤチェーンの取り付け方・取り外し方

布製タイヤチェーンは、装着するとタイヤに靴下を履かせたようになるため、「タイヤソックス」などとも呼ばれています。

小さく折りたためる上、非金属製タイヤチェーンよりもさらに軽い布製タイヤチェーンは、脱着も簡単なので、オートバックスでも近年人気を集めています。騒音や振動の少なさも魅力といえるでしょう。

取り付け方は、下記のとおりです。

<布製タイヤチェーンの取り付け方>
1.タイヤの上部に布製タイヤチェーンを被せる
2.車を動かし、被せた部分が地面に着くようにタイヤを回転させる
3.布製タイヤチェーンをタイヤ下部に被せる

取り付けた際に多少ズレていたとしても、走行中に自然と補正されるので安心です。

布製タイヤチェーンの取り外す際は、次の手順で行ってください。

<布製タイヤチェーンの取り外し方>
1.タイヤの裏側上部から布製タイヤチェーンを引っ張り出す
2.車を動かして布製タイヤチェーンを取り出す

布製タイヤチェーンに備わるストラップを引っ張ると、より外しやすくなるはずです。

タイヤチェーン取り付けの際の注意点

タイヤチェーンを取り付ける際には、いくつか気をつけたいポイントがあります。ここでは、タイヤチェーン取り付け時の注意点について解説します。

事前にサイズや作業場所を確認する

タイヤチェーンを取り付ける前に、サイズについて確認することが注意点として挙げられます。タイヤには「215/50R17」といったサイズがありますが、このサイズに適合しないタイヤチェーンを取り付けてしまうと、走行中に外れるおそれがあるからです。

また、タイヤチェーンの取り付け作業を行う場所もよく確認しておきましょう。サービスエリアやパーキングエリアのほか、タイヤチェーン着脱場など、できる限り平坦で安全に作業できる場所で行ってください。交通量が多い場所の場合は、停止表示板(三角表示板)を設置します。

取り付ける箇所に注意する

タイヤチェーンを取り付ける際の注意点として、取り付け箇所があります。そもそもタイヤチェーンは、駆動輪に取り付けることで性能を発揮するものです。FF(前輪駆動)車なら前輪に、FR(後輪駆動)車の場合は後輪に取り付けてください。4WD(4輪駆動)車の場合は、車種によってタイヤチェーンを取り付けるタイヤが異なります。

前後のタイヤサイズが異なる場合には、タイヤチェーンを取り付ける駆動輪のサイズを確認した上で、タイヤチェーンを選びましょう。なお、前輪へ取り付ける際には、ハンドルを切っておくと取り付け作業が行いやすくなります。

タイヤチェーンの状態を確認する

タイヤチェーン取り付けの際の注意点として、タイヤチェーンの状態確認も挙げられるでしょう。金属製タイヤチェーンの場合、長年使用してすり減った結果、元の3分の1程度になっていたら交換すべきといえます。さらに、保管状態によってはサビが生じて、劣化が進んでいることがあるので注意が必要です。

非金属製タイヤチェーンについても、ゴムやウレタンを素材としている製品に関しては、紫外線や熱の影響で劣化が早まる可能性がある点に気をつけてください。布製タイヤチェーンは、生地表面のスレやほつれ・破れなどに注意が必要です。

タイヤチェーン装着中の注意点

タイヤチェーンを装着しているあいだにも、気をつけたいポイントがあることを知っておきましょう。ここでは、タイヤチェーン装着中の注意点について解説します。

制限速度に注意する

タイヤチェーン装着中の注意点として、制限速度が挙げられます。タイヤチェーンは金属製・非金属製・布製のいずれも、タイヤチェーンの耐久性の観点から制限速度が設けられています。

タイヤチェーンの主な制限速度は、下記のとおりです。

<素材別のタイヤチェーン制限速度>
・金属製タイヤチェーン:時速30km
・非金属製タイヤチェーン:時速50km
・布製タイヤチェーン:時速40~50km

これらの制限速度は、高速道路でも同様に適用されます。制限速度を超えて走行すると、タイヤチェーンが切れたり破れたりするだけでなく、そのタイヤチェーンが車体にダメージを与えるおそれがあるので、注意が必要です。

急な操作を伴う運転はしない

ブレーキや急ハンドルなど、「急」がつく操作はしないことも、タイヤチェーン装着中の注意点といえます。

日本自動車連盟(JAF)がタイヤチェーン装着中の車を使い、圧雪路で旋回の実験を行ったところ、時速30kmで走行した金属製タイヤチェーン装着車はスピンしたり、カーブを曲がり切れなかったりしました。なお、時速30km以上になると、歩行者との事故における致死率が急増するので注意しなければなりません。

また、急な操作は、タイヤチェーンの破損につながる可能性もあります。

そもそも、タイヤチェーンを装着していなくても、積雪路・凍結路では急な操作は禁物です。できる限り、丁寧かつ慎重な運転を心掛けてください。

積雪路・凍結路以外ではすみやかに取り外す

タイヤチェーンに関する注意点として、積雪路・凍結路以外の道ではすみやかに取り外すことも忘れてはいけないポイントです。なぜなら、タイヤチェーンは乾燥した路面での走行が苦手だからです。特に金属製タイヤチェーンは注意が必要といえます。

積雪路・凍結路以外での走行により、タイヤチェーンが切れたり、切れたチェーンによって車体が損傷を負ったりする可能性があります。タイヤチェーンを装着したまま、雪のない地域へ走行し続けることは避けましょう。

タイヤチェーンの交換時期は?

金属製タイヤチェーンの交換時期は公的に定められていないものの、5~10年程度とされています。ゴムやウレタンなどの非金属製タイヤチェーンは、日本自動車交通安全用品協会(JASAA)認定品の場合、5年の継続使用が限度です。布製タイヤチェーンは距離や使用期間では判断できず、本体のスレやほつれ・破れなどで確認する必要があります。

ただし、使用頻度や使用状況、保管の方法によっては、それよりも交換時期が早まる可能性もあります。使用後は水洗いののちに乾燥させて、サビや紫外線に注意して保管し、使用前にはチェックを怠らないようにしてください。

タイヤチェーンが必要となる場所

基本的に降雪しても、スタッドレスタイヤを装着して走行していれば問題はないでしょう。ただし、過去に大雪で大規模な立ち往生や通行止めが発生した一部国道や高速道路など、全国で13ヵ所の「特定区間」では注意が必要です。

このような区間では、異例の大雪によって通行する車が立ち往生する危険性が高まったとき、チェーン規制が行われるため、タイヤチェーンを取り付けなければ当該区間を走行することができません。

このため、帰省やスノーレジャーなどで雪が多く降る地域を走る場合には、スタッドレスタイヤの装着を前提に、大雪や不測の事態に備えてタイヤチェーンを携行することをおすすめします。

チェーン規制については、下記の記事もご覧ください。
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タイヤチェーンならオートバックスに相談を

タイヤチェーンは金属製と非金属製、布製の3種類に大別でき、取り付けやすさや性能に応じて適切なものを選ぶ必要があります。注意したいのは、タイヤのサイズと違うタイヤチェーンを選ぶことで、走行中のトラブルを招きかねない点です。そのため、タイヤチェーン選びに不安がある場合は、信頼できるカー用品店などで、相談することをおすすめします。

オートバックスでは、タイヤチェーンを豊富に取り揃えています。タイヤチェーンを買おうと思って、どのようなサイズや種類のものを選べばいいのかわからないといった場合でも、専門知識を持ったプロのスタッフに相談できるので、買い間違えるリスクが格段に低くなります。

安全・安心なタイヤチェーンを選ぶなら、ぜひオートバックスにご相談ください。

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